
面接前など実施されるテストについても様々な風評がある。例えば「テストで大半が落とされる」とささやかれるが、これはウソだ。テストの実施を請け負う採用代行会社や各社の採用担当者はどこも下位の2割を落とすと話す。
「基本的な英語や、掛け算割り算など基本計算ができない就活生を落とすのに使う」。ただ、人気企業の場合は就活生の学力も高いため、自然と選別のラインは高くなる。
最近ではウェブテストを替え玉で受ける就活生もいる。数学が苦手な文系学生が理系学生と一緒にテストに挑むといったものだ。事実上野放しの状態が続いていたが、企業側も対策を講じ、選考途中に筆記テストを設けるケースが増えている。「ウェブテストで数学80点、筆記で30点など大きな乖離がある場合は落とす」(広告代理店)。不正は絶対にバレる。
服装が自由という会社も
面接ではスーツが基本だが、地味な色や柄にしなければならないという噂はウソだ。「スーツやネクタイの色、スカートかパンツかも気にしない」という企業が大半。相手を不快にさせる服装でなければ気にすることはない。もちろん例外もある。ある化粧品メーカーでは「自由、私服がオススメ」と書いてあるが、その場合はセンスも含めて評価したいと考えている。
面接で話す内容は「目覚ましい実績が必要」と思われている。もっともらしい話だが採用担当者に聞くと、これもウソだ。「すごい答えは期待していない。自分の経験を自分の言葉で語れればいい」(金融)など、人柄が分かる内容を採用担当者は求めている。
採用に詳しい人材研究所の曽和利光社長は、「就活生は実績を話そうとしてかえって分かりにくいエピソードを選びがち」と指摘する。例えばアルバイトで新人教育を頑張った話などは抽象度が高い。それよりも客からのクレームに、自分がどう考えて対応したのかを話した方が分かりやすい。
《本記事は、日経ビジネス2015年12月14日号スペシャルリポートを再構成しました》
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