あるサービス業の採用担当者は過度な写真修正はやめた方がいいとアドバイスする。「美しい写真だとESの通過確率は上がるかもしれないが、面接で会ってギャップが大きすぎると誠実さがないと判断する」。

 しっかりと書かれたESでも、中身が不適切ならば落とされる。共通するのは、自己PR欄にバイトやサークルでの実績だけのものや、実績は書いてあっても評価しにくいものだ。「『100人をイベントで集めた』『バイト先の売り上げを2倍にした』と言われてもすごさが分からない」(サービス業)。

 さらに、実績は評価できても、そのプロセスがないもの、そのプロセスを選ぶに至った自分の考えが伝わらないESも「本人がどんな人か感じられないので落とす」(大手広告代理店)という採用担当者は多い。

 ある商社の採用担当者は「人柄や、業務理解、自分のやりたいこともしっかり書かれているが、落とすESがある」という。それはコピーした内容と疑われるもの。似たESが続いたことを不審に思った担当者がインターネットで検索したところ、商社のES事例集にほぼそのままの文面が出てきた。「疑わしいものは全部落とした」という。

 「当社への関心の高さは認めても、きれいごと過ぎるESは低評価」という担当者もいる。そのESは入社したら海外の発展途上国で社会貢献をしたいという熱意があふれていた。「社会貢献は否定しないが、それならNPOやボランティアでやって」と手厳しい。

面接の前にもチェックの目

 続いて面接やグループディスカッションで落とす条件を尋ねた。

 戦いは面接前から始まっている。かなりの割合の企業が受付や通路、そして控え室で就活生の振る舞いをチェックしていると答える。「受付でぞんざいな態度を取る就活生はけっこういる。そういう人はこっそりチェックが入る」。それだけで一発アウトにはならないが、「どちらの就活生を次の選考に進ませるか悩んだ際の判定材料になる」。

 面接でNGとなるのは、暗記してきた話を何とか話そうとする就活生だ。「暗記はすぐにばれる。途中で暗記内容を思い出すために一瞬斜め上を見たりするからだ」(広告代理店)。この場合は内容の良し悪しではなく、用意された言葉ではどんな人物か分からないために落とすという判断になる。

 集団面接では、協調性がない就活生に対しては特に評価が厳しい。「面接で話す順が1番手なのに長々と話す人がいる。時間が30分で6人だと1人が話せるのは5分程度。協調性がない」(大手商社)とバッサリ。5、6番手の就活生は時間不足でピンチとも言えるが、チャンスでもある。ここで簡潔にまとめて話せれば、「状況に応じて行動できる人だと分かるし、時間が短くて申し訳ないと高評価につながる」(同)。

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