JR東海は米テキサス州で高速鉄道の整備計画を進める(イメージ画像)

 高速鉄道の分野ではJR東海も着々と準備を進めている。その場所は、トランプ新大統領の政策でインフラ整備への期待がにわかに高まる米国だ。

 「鉄道を通じて時間を還元できる。1人でも多くの人に自動車を降り、鉄道を利用してほしい」。JR東海の支援のもと、米テキサス州で高速鉄道の建設、運行主体となる地元企業、TCP(テキサス・セントラル・パートナーズ)のティム・キースCEO(最高経営責任者)は力を込める。

移動時間は車の半分以下

 高速鉄道はダラス~ヒューストン間(約385km)を結ぶもので、2018年に工事を始め、2022年の運行開始を予定。現在は車で約4時間かかるが、高速鉄道を使うと約1時間半で行けるようになる。車の半分以下の移動時間で済む計算だ。

 JR東海はTCPに、軌道や電力・信号設備、運行管理など鉄道の運行に必要なシステムをトータルで提案。東海道新幹線のN700系をベースにした車両の採用も目指す。一連の提案によるコンサルティング料がJR東海の収益となる。JR東海は昨年12月、技術支援のための現地オフィスをダラスに開設。技術者ら約20人が駐在し、TCPへの支援活動を本格化させている。

 トランプ政権は高速鉄道を含むインフラ整備の拡大を掲げる。「民間資本のダイナミズムを考えると、鉄道需要は十分にある」(JR東海の落合克典・海外高速鉄道プロジェクトC&C事業室長)。同社はワシントン~ニューヨーク間(約360km)を約1時間で結ぶ超電導リニアの運行も計画している。

 JR東日本もJR東海も高い技術やノウハウを生かし、アジアや欧米を中心に海外展開を今後も進めていくだろう。だがコンサルティングが主体では、収益面での貢献は小さいままだ。会社の柱となる収益部門に育てるには、鉄道網の整備に直接関わるなど、事業領域の拡大が求められる。