葛西:新聞の人は「トップセールスだ」「輸出だ」と言いますが、インフラは地面に張り付いているものなので、道路と同じように国が意思決定して作らないといけません。

 クルマは世界中のメーカーのものが走っており、それに当たる部分が新幹線や超電導リニアのシステムです。それを使うのがアメリカにとって有利であるのです。

 ニューヨーク~ワシントンを1時間で結ぶことをトランプ政権がプロジェクトにするなら、我々がシステムを提供すれば、日米関係強化のシンボルになると思っています。

 米国には生産能力がありませんから、少なくとも第一世代は日本のモノを持っていくしかありません。我々はシステムのコンサル料くらいはとれるかもしれませんが、たいして儲かる訳ではありません。儲けよりむしろ日米関係に、我々の問題意識はあります。

マスクの新交通システムはSFの世界

米テスラのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)が超高速の新交通システム「ハイパーループ」でロサンゼルス~サンフランシスコを結ぶ計画をぶち上げています。

葛西:あれはSFの世界ですよね。どれくらいの輸送力があるのでしょう。

 小さなトンネルを作り、それを使って1列座席で運ぶことになると、1席当たりのトンネルを作るコストはものすごく高くなります。やはり我々の超電導の方がはるかに実用的です。

 超電導リニアは東海道新幹線に比べてコストは2倍です。速度も2倍になります。超電導リニアで輸送力のボトルネックを解消し、サービスアップも図れます。

中国にもリニアモーターカーがあります。どのように評価していますか。

葛西:上海のリニアは我々とは全く違った技術です。長大編成を作って走れますが、常電導で力が弱いので、我々のリニアほどは速度が出ません。ドイツは開発もやめました。日本の超電導リニアは他にはなく、それを米国と共有することは、コントリビューションでもあります。

 米国がそれを受け止めて超電導リニアを導入することはある種の革命的な効果をもたらすので、決断してほしいと思います。