●救急要請全事案の有料化を
・ぜひ有料化してほしい。本当の急患からタクシー代わりに来る患者まで全てに請求すべき。世界的に見て、無料で搬送するのは時代に遅れているようだ。当直医夜間医師のストレスを分かってほしい。(50代勤務医、整形外科)
・安易な理由で救急車を要請する事案が多過ぎます。軽症と診断された場合に請求するとなると、現場に対する圧力や危害が及びかねないので、一律に有料とした上で後日返金可能かどうかを検討すべきだと思います。(30代勤務医、一般内科)
・救急車の搬送後の救急医療にお金が掛かるのですから、救急車による搬送が無料である必要はないと思います。軽症だけ有料というのは、軽症か重症かの判断を救急隊員もしくは医師にさせるものであり、誰かの負担が大きくなるのでやめてほしいです。(40代勤務医、呼吸器外科)
・確かに重症者・重傷者まで料金を徴収するのは申し訳ないような気もします。しかし、それが救急車が必要な病態であったか否かを誰が判断するのか? 受け付けた医者ということになればまた様々な圧力に悩まされることになります。であれば一旦は全症例で課金するしかないのではないでしょうか。(50代勤務医、一般内科)
・重軽症の判断はあくまで来院時のものであり、軽症のみを有料とすると重症化する疾患の早期受診を妨げ、係争の原因となることもあるため、一律に有料化するのがよい。(50代勤務医、小児科)
・救急車で受診しようが自力で受診しようが診療は有料である。区別する必要はない。搬入後に軽症と診断した場合に有料とすると医師が責任を問われるのは目に見えている。医師を矢面に立たせるべきではない。シンプルイズベストである。(50代開業医、総合診療科)
・諸外国では有料が当たり前。日本だけが無料を貫くべき理由などない。救急医療体制の制度設計には税金を投入すべきだが、1件1件については重症度に関係なく受益者負担の要素を取り入れてよいだろう。同時に諸外国と同様、救急車搬送費用をカバーする医療保険の販売も認可する必要がある。(40代勤務医、救急科)
・搬入後に軽症と診断された場合は料金を請求すべき、とした場合には、救急受診患者が医師に軽症でないと診断するように圧力を掛けたり、重症感を出すためになかなか帰宅しなかったりと、医師側の負担増大のリスクが高い。また、軽症と診断された場合とあるが診断の詳細は、きっと行政側から医師側に丸投げされて責任とともに押し付けられる可能性が高い。(50代勤務医、一般内科)
・ほとんどの救急搬送が医療の必要性よりも運ぶ手段、言い換えればタクシーとして利用されている。自分で来院している患者との差別化するためにも有料化は絶対に必要。重症度や緊急度は非常に曖昧であり、線引きが難しい。入院を基準にするとむやみに入院させるよう要望が来て、病院も診療報酬が増えるため抑制しなくなる。よって一律で料金を課すべき。(30代勤務医、総合診療科)
・救急の場で、軽症かそうでないか(救急車代が無料か否か)医者が決めることになると、必ず「どうして軽症といえるのか」と担当医に食って掛かる人が出てきます。全症例について一旦は料金を徴収し、(重症なら当然入院するので)退院時に清算できるようにすればよいと思います。乳幼児の医療費無料化についても同様で。夜間・休日だけは、いったん定額を徴収し、(時間外に受診するほどの病状なら当然再診させるので)その再診の会計時に清算させて、医療はただではないことを認識してもらった方がよいと思います。経済学分野から、「医療無料化がコンビニ受診を助長している」という論文が出ています。 (40代勤務医、小児科)
・軽症、重症の判断はいったい誰が行うのでしょうか。恐らく医師になると思いますが、トラブルに巻き込まれるため、反対です。全て有料化するしかないでしょう。救急車を使って、救急病院へ行っても、保険診療分がただになるわけではありません。(50代勤務医、一般内科)
・有料化を「軽症と診断された場合」にしたいですが、軽症の判断が難しく絶対に問題になるので、全部有料にした方がよい。(50代勤務医、小児科)
・無尽蔵に救急要請が増加する中、今後もさらにこの傾向は続くと予想されている。この制度を維持するため、重症、軽症を問わず料金を聴取することが望ましい。一刻も早く開始すべきだろう。このままではいずれパンクする。(60代開業医、一般内科)
●軽症など一部の救急車有料化に賛成
・入院した場合などは返金すればいいと思う。タクシーで来院するように指示しても無料だからと救急車をよく使用する患者が以前いた。ただ、返金を担当医師が判断するともめるので入院した場合に限り返金などルールが必要と思われる。(30代勤務医、その他の診療科)
・救急車は一時負担で、のちに申請して償還払いでよいので、必ず一度は財布からお金を出すようにするべき。無料のタクシー的な発想の利用者が少なからず存在する。個人的には「当該患者において適切な使用であり無料と判断する」権限を医師に持たせてもよいのではないかと思う。(30代勤務医、耳鼻咽喉科)
・遠方だと、タクシーで1万円することもあるので、救急車は1万円以上にして、高額療養費に充てられることにすれば、入院治療が必要な場合は問題なくなると思います。(30代勤務医、精神科)
・救急車利用が適切であったか否かの判断については、直接対応した人間に対する利用者からの圧力や逆恨みを避けるために、第三者が行うのが望ましい。重症度以外に、患者の障害度移動などの判断基準を設ける必要がある。生活保護の患者の中に、何をするにも無料であるからという考えが背景にあるかと思われる、目に余る行動をとる人間がいる。生活保護の患者からも等しく徴収することが重要である。(40代勤務医、神経内科)
・以前月曜日の朝、当院産婦人科に予約が入っている患者が救急車で搬送され、特に症状の訴えはありませんでした。大丈夫と言って、さっさと歩いて婦人科外来に行きました。まるで、救急車をタクシー代わりに使ったとしか言いようがありません。救急医療体制を維持する上で軽症例の有料化は必要です。(50代勤務医、一般外科)
・有料化となれば軽症であっても自家用車で無理矢理来院する症例も増えるはず。よって、ある程度の基準を作成し来院後軽症と判断された場合には有料とする方がよいと思われる。この場合、必要以上の“気軽な”救急要請を抑止することが目的であれば、ある程度の高額にしなくては意味がない。(50代勤務医、呼吸器外科)
・基本は例外なく課金すべきと考えます。重症であったり、DOAである場合は、後から返金するような形が望ましいかと思います。(40代勤務医、一般内科)
・支払い能力があって、タクシー代わり、あるいは「混まずに診てもらえる」などと考える人たちには大病院の紹介状なしの料金ぐらい払らってもらうのが妥当と思います。むしろ問題なのは、どういう制度にしても支払わない人々(結局未収になる)がいることです。医師法・医療法を盾に、結局正直者がバカをみるようなシステムになっているようにも思います。(60代勤務医、一般内科)
・救急搬送1回当たり実際には数万円の費用がかかっており、税金で支払われている。医療費でさえ原則3割負担であることから、少なくとも一定額の負担を原則とすべきである。(50代その他、一般内科)
・軽症患者の救急車使用を減らすために有料化は行った方がいいと思う。待ち時間が嫌で救急車を利用したり、タクシー代わりに使用することが増えていると実感しているので。(30代勤務医、小児科)
・タクシー代わりに使用する患者を排除すべきである。軽傷の定義は国が示すべきである。(50代勤務医、消化器外科)
・救急車を適切に利用されている方がほとんどなのかもしれませんが、最近、安易にタクシーより安いから利用しているように見受けられる方が急激に増えているように思います。公平性の観点からも有料化を考えるべきと思います。だたし、重症患者の受診をためらわすことがないように、実際の運用時に、料金を請求するのは確信犯的に軽症での利用を繰り返す方などに限定する方向で考えるべきと思います。(40代勤務医、眼科)
・実際、深夜の救急外来に来る患者は、救急車をタクシー代わりに使っている者がほとんど。緊急手術が必要になる症例は年1~2例程度である。なので、昼間独歩で受診できるような軽傷者は有料にすべき。(50代勤務医、眼科)
・少なくとも移動手段としてのコストは請求すべき。(40代勤務医、呼吸器外科)
・不要不急に応じていた場合、緊急を要する患者さんに対応出来なくなり救急車の意味が無くなる。出来るだけ軽症・自家用車のある場合は控えてほしい。(70代以上勤務医、小児科)
・かかりつけ医が徹底されれば、救急車搬送の判断がまず主治医により検討されるので、その場合は有料化は考慮しなくてよい。それなしで救急車を呼び搬送された場合には、軽症であれば料金を要求する仕組みとなるのがよいのでは。軽症化否かの判断が難しいかもしれないが。(60代勤務医、脳神経外科)
・「結果として軽症であった」と「明らかに軽症である」の区別が問題と思いますが…。(50代勤務医、整形外科)
・単純に有料化すべきではないが、一部料金の負担や要請の必要度の検証など安易に呼ばないシステムが必要。(60代勤務医、消化器内科)
・中途半端に安ければ、田舎の深夜とかだとタクシー使うより安くて早いので抑止力にならない。軽症判断を基準にすれば、判定する医師に対する患者側からの要求や圧力、入院要請等、現場への負荷がさらに増える上、下手すれば軽症判定された患者からの恨みやこれに伴う危害等にも発展しかねない。あくまで、医療現場に判定根拠を求めるべきではなく、所得に応じての役所での全額か一部返還請求等で対応してもらいたい。(40代勤務医、放射線科)
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