3選を果たした横倉義武氏

 任期満了に伴う日本医師会の会長選挙が6月25日、東京都文京区の日本医師会館で行われ、現職の横倉義武氏(71歳、福岡県医師会)が3選を果たした。記者会見に臨んだ横倉氏は英国のEU離脱に触れ、これを機に世界経済が混乱し日本経済への影響も避けられず、「社会保障の先行き不透明感が強まっている」との懸念を示した。その上で、財源不足から必要な医療を受けられないという事態に陥ることのないよう、政府に働き掛けていくなどと表明した。

 会長選は横倉氏と石井正三氏(65歳、福島県医師会)の一騎打ちとなった。363人の代議員による投票の結果、横倉氏317票、石井氏41票、白票5票となり、過半数の支持を得た横倉氏の3選が決まった。

 横倉氏は久留米大卒で、医療法人弘恵会ヨコクラ病院(福岡県みやま市、199床)の理事長。福岡県医師会長を経て、2010年から日本医師会の副会長を務めた。2012年に会長選に立ち、現職だった原中勝征氏と京都府医師会長の森洋一氏を破って初当選。2014年には無投票で再選された。

 記者会見に臨んだ横倉氏は、3期目に入るにあたってコメントを発表。今後も地域医療の視点にたって、国民が安心して医療を受けられる体制、環境作りに尽力していくなどと語った。

 会見では、大差の勝利だったものの予想以上の批判票があった点について問われ、横倉氏は「厳しく受けとめる」と話した。今回の選挙で対立候補だった石井氏は41票で、推薦人の34人を上回る票を獲得した。

 また横倉氏は、24日の英EU離脱の決定にも言及。消費税10%への引き上げ延期によって、持続可能な社会保障制度の財源を確保できるのか不安視する声がある中で、今回の英EU離脱が加わった点については「社会保障をめぐる状況が変わってきている」と指摘し、「日本の社会保障制度の先行き不透明感が増している」との懸念を示した。その上で、「こうした混乱のときこそセーフティネットである社会保障を守ることが大事である」とし、「(今後も)国民皆保険制度を維持していくことを政府に働き掛けていく」などと表明した。

日本医師会の新執行部。左から、横倉氏、副会長に就任した中川俊男氏(北海道医師会)、今村聡氏(東京都医師会)、松原謙二氏(大阪府医師会)。
この記事は日経メディカルに2016年6月25日に掲載された記事の転載です。内容は掲載時点での情報です。