医療・介護現場に関係なく全介護職員を同じ基準で評価

 同グループではまず、医療法人・社会福祉法人の別、常勤・非常勤の違いに関係なく、720人の全介護職員を評価制度の対象としました。「グループのどこに所属していても統一基準で評価することで、医療と介護の職場の垣根をなくしたかった」と藤原氏は話します。

 その上で、国のキャリア段位制度の細かい評価項目を同グループに合った形にアレンジし、約40に及ぶ項目で介護スキルを評価する体系を確立。併せて、キャリア段位制度では補えない、グループが求める人材像や勤務態度などに関する情意評価(約20項目)も導入しました。

 評価は半年に1回、全評価項目について5段階で実施。まずは各職員が自己評価し、その後、直属の上司が評価。面談で両者の評価を照合して課題などを浮き彫りにし、次期の目標を決めます。

 こうした制度の充実により、同グループでは既に90人の職員がキャリア段位制度のアセッサーの認定を受けました。レベル2~4の認定者も10人弱います。人員配置を満たせず全室開設できない特養が目立つ中、十分な職員数を確保できているといいます。今後は、経験年数のウエートが高い現在の給与体系にも、介護スキルなどの評価結果を多く反映したい考え。さらに、看護師や薬剤師などについても同様の評価制度を構築する方針です。

 介護職員の処遇改善を図る事業者は今後さらに増えるのは確実で、乗り遅れれば事業継続の危機にも陥りかねません。一方で、多くの業界で人手不足が顕在化する中、介護職の賃金アップや業務負担の軽減などを図らなければ、介護業界の担い手がいなくなる可能性も否定できません。今後、国がどのような具体策を打ち出すのか注目されます。

この記事は日経メディカルに2016年3月7日に掲載された記事を一部改編したものです。内容は掲載時点での情報です。
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