国も介護職のキャリアパス構築を後押しし始めました。内閣府は2012年度に「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」を創設(図2)。全国共通の基準で介護スキルを評価し、7段階でレベル認定する仕組みです。同制度を普及させて効果的に人材を育成し、介護職の処遇や社会的評価の改善につなげる狙いがあります。

図2 国の「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」の仕組み
図2 国の「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」の仕組み
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 2015年度からは厚労省の所管事業となり、制度の定着と有効な運営を目指して検討会で議論が進んでいます。既に、レベル認定の内部評価を担うアセッサーが1万1900人弱、レベル認定者が約1150人誕生。国は認定者数をもっと増やす方針で、将来は介護報酬で評価する可能性もありそうです。

 岐阜県の和光会グループは、国がキャリア段位制度を創設した2012年、同制度に沿って介護技能などの評価制度を導入しました。同グループは、在宅療養支援病院の山田病院(120床)などを運営する医療法人和光会と、特養や有料老人ホーム、各種の居宅サービス事業所、保育園を展開する社会福祉法人和光会からなります。

 同グループ本部部長の藤原富子氏は、「今の介護職員処遇改善加算は介護技術の質などに関係なく一律に支給されている。しかし今後、介護報酬がますます抑制されれば、人材の育成や質向上に注力する事業者に報いる形になっていくはず」と話します。さらに介護職の役割も、家事援助・身体介護中心ではなく医療的ケアや認知症ケアなどのより高い専門性が求められる時代になるのは確実で、そのためにも職員の質を上げる取り組みが今から重要になるといいます(図3)。

図3 和光会グループが見据える介護職員の役割の将来像
図3 和光会グループが見据える介護職員の役割の将来像

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