登校許可証明書、治癒証明書は法的に求めているものではない

 全国各地で学級閉鎖が報告されるほど患者数が多いインフルエンザである。その患者と保護者たちが、診断時のほかに登校許可証明書のサインをもらうために受診することを考えると、本当にムダだと思う。家で留守番させておけないので、元気なきょうだいも一緒に小児科に連れて行かざるを得ない、という母親もいて、感染症拡大の機会にもなっている。

 確かに学校としては、ただの欠席でなく出席停止とするための証明は必要なのかもしれないが、それはインフルエンザと診断されたときのメモ書きを添付し(最初からそう言ってもらえれば、大切に保管すると思う)、保護者が押印するだけで十分ではないか。保護者の“良心”に委ねられているのだから。

 そこで、文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課に確認してみた。すると、「感染症に関する登校許可証明書、治癒証明書は法的に求めているものではない。出席停止にかかわる権限は学校長にあり、証明書を必要とするかどうかは学校長の判断による。地域の教育委員会で方針を決めているところもある。教育委員会、学校長は医学的な知見を持っていないので、学校医など、医師から医学的に意見を述べるというのが望ましいと考える」ということだった。ネットで検索したところ、実際、インフルエンザの登校許可証明書に医師のサインを不要としている学校があることも分かった。

 いずれにせよ、現在、登校許可証明書に医師のサインが必要と判断している学校が、学校側の判断だけで、サインを不要とする決断を下すのは難しいだろう。ここは地域の医師会から市町村の教育委員会に「インフルエンザの登校許可証明書はやめましょう」とご提案いただくのがいいように思うが、いかがだろうか。

この記事は日経メディカルに2016年3月2日に掲載された記事を一部改編したものです。内容は掲載時点での情報です。