自社回線(au契約者数)とMVNO(仮想移動体通信事業者)回線の内訳が決算説明資料で公開されています。グラフを読むと、auの契約者数が右肩下がりで減少していることがよくわかります。
 一方のMVNOの契約数は右肩上がりで成長しているものの、スライドの下に小さく「注釈」が書いてあるように、この数字には他の事業者のネットワーク回線を使用するサービスも含まれています。事実上、ドコモ回線を利用したMVNOの契約者も多数含まれていると思われます。

「ドコモ1人勝ち」の実相

 次に、ソフトバンクの決算資料(2017年5月11日:ソフトバンクグループ2017年3月期決算説明会)を見てみましょう。

 ソフトバンクの契約回線数は、Y!mobile(ワイモバイル。2014年7月にブランド名を統一して開始したMVNOのサービス)を含んだ形となっていますが、1年間で36万の「微増」と増加傾向になっています。
 ソフトバンクはドコモ回線のMVNOを販売していないので、自力で少しずつ契約回線数を増やしていることになります。

 最後にNTTドコモの決算資料(2017年4月27日:NTTドコモ2016年度決算説明会)を見てみましょう。

 ドコモは携帯電話の契約者数が1年間で約400万件増加しています。中でもスマートフォン、タブレットの利用数が約300万件増加していますが、この成長にはMVNOが大きく成長に寄与していると思われます。いわば1人勝ちの状態と言えるでしょう。

 こうして、契約回線数に焦点を当てて各社の決算を見てみると、MVNOで圧倒的なシェアを占めるドコモが大きく数字を伸ばしているということがわかります。

 ここで改めて、前出の日経新聞の記事では、KDDIが

今回の大幅値引きは2018年3月期に200億円程度の減収要因になる見通し。しかし田中社長は「格安スマホへの流出を阻止するため、料金値下げという即効薬が必要だった」と強調する。

 という理由で値下げに踏み切ったと書いてあります。そこで、「なぜ今、値下げに踏切らざるを得なかったのか?」「今後、他の携帯キャリアが追従することはあり得るのか?」という点を考察してみたいと思います。