10億ドルの買い物は高かったのか?

 Indeedは凄まじい勢いで成長しています。

出所:リクルートホールディングス

 売上高は2011年から2015年にかけて、年間平均で67%増と急激に成長している計算になります。

 リクルートはIndeedを2012年の9月に買収しました。

 買収金額は非公開です。たが、技術ニュースの専門ウェブサイト「Business Insider」によると約10億ドル(約1130億円)での買収だったようです。当初は金額が高すぎるという声もちらほら聞こえてきていました。果たして、これは「高すぎる買い物」だったのでしょうか。
 この成否を見分ける1つの指標として「売上マルチプル」があります。これは、企業の価値(時価総額や買収価格)が、企業の単年の収益の何倍かを見るというものです。

 たとえ安い価格で買ったとしても、収益が低ければ元を取るのに時間がかかります。一方、高値で買っても高収益を上げられる企業ならば、それはお得なお買い物と言えます。

 indeedの場合はどうでしょうか。上のグラフによれば、2012年度の売り上げは1億5600万ドル(約180億円)でしたので、10億ドルで買収したとするならば、売上高の約7倍で買収したことになります。

 売上マルチプルが7倍というのは決して安い買収ではありません。ただ、indeedの場合はその後の成長の伸びも高い。つまり、このM&Aはとても成功したケースだと言えるでしょう。

 日本のネット企業の海外でのM&Aは、楽天を始めディー・エヌ・エー(DeNA)やGREEといった会社でも、非常に苦戦してきた経緯があります。リクルートのIndeed買収に関しては買収後の成長が非常に早く、成功しているケースに見えます。

 では、Indeedの主要KPI(重要業績評価指標)を見ていきましょう。

出所:リクルートホールディングス

 この中でも特に重要なのは以下のものでしょう。

・月間ユニーク訪問者数が2億人
・8000万人の履歴書が登録
・アプリのダウンロードは1億件以上
・1300万以上の企業に対するレビューが登録済

 このように、企業側とユーザー側の両方のデータがどんどん蓄積される仕組みになっており、非常にネットワーク外部性が高いサービスと言えるでしょう。