経沢:ありがとうございます。シバタさんは今、シリコンバレーにお住まいなんですよね? アメリカで育てていらっしゃるんですか。いいですね。

シバタ:でも、大変なこともありますよ。近くに両親がいないので、いろいろなサポートサービスを利用しているんです。ベビーシッターを頼んだことも何度かあります。

経沢:日本に一時帰国されている時は、ぜひキッズラインのサービスを使ってみてください。

シバタ:ええ、ぜひ! では、本題に入りましょうか。今日は、決算や事業数字とうまく付き合っていくには何が大事か? というテーマでお話を伺えればと思います。

経沢:実は私、小学生の頃から数字で物事を考えるタイプだったんですよ。何事も合理的に考えるタイプというか。大学受験の時も、数学を「一番高得点の取れそうな教科」として勉強しましたし。まぁ、社会科の暗記ができなかっただけなんですけど(笑)。

シバタ:そうなんですか。じゃあ、会社経営でも予実管理などはご自分でやっていらっしゃる?

経沢:はい。予実管理も、苦手意識はありません。

 そもそもファーストキャリアがリクルートの営業職だったこともあって、数字に対する意識はすごく高いものを求められました。営業目標を外したら仕事をしていないのと一緒という世界だったので、とにかく必死でしたね。

 売上予測に対して何%足りないとか、営業進捗として今日が〇日だったらこの指標は何%達してないとダメとか、前月比で何%とか、そういう数字は全部把握していました。

 こういうベースがあるからか、現在やっているキッズラインでも、デイリーのサイト訪問数や、その日の売上、サポート回数などKPI(重要業績評価指標)として決めた指標のデータを自動で集計して、毎日社員全員にメールが送られるようにしているんですよ。

シバタ:こう言ったら失礼ですが、経沢さんはビジョンや情熱ありきで突っ走るタイプだと勝手に思っていたので、ちょっと意外でした。

経沢:はい、そこも熱いですが(笑)。私は中学校への進学で受験をしていて、その時に算数の問題をたくさん解くようになり、面白さにハマったんですね。いつも頭の中に解けない問題を置いて寝ていたくらい。補助線で開ける道とか、そういうのが大好きでした。

 数字はただの数字として並んでいるのではなくて、イメージとセットで活かされるものなんだ、という感覚は、その時に学びました。それに、小学生の時から、金利と将来について考えるような子どもでしたね。

シバタ:金利ですか!? それはまたなぜ(笑)。

経沢:うちは父親がいわゆる亭主関白でした。なので、小さな頃から「女性が仕事と育児を両立する時代になるのかな」と思っていて。

 でも、実際両方やるのは難しそうです。母が専業主婦でしたからイメージができなくて。では、どうすればいいんだろうと考えた時に、一つの方法として誰か手伝ってくれる人を見つければいいのかな、と。あと、出産して会社を辞めなくてはいけなくなっても、生きていかなくてはいけない。そのためには経済的な自立が必要だと考えました。

 私が幼かった頃、日本の銀行の金利はだいたい7%だったので、1億円貯めて結婚・出産すれば1人でも自立して生きていけるんじゃないか? と頭の中で数字を組み立てていました。

シバタ:そこまで計算していたんですか。すごいですね。

経沢:父親が「経済的に自立した人間だけが自由になれるんだ」とよく言っていたんです。じゃあ、経済的に自立するってどういうことなのかなと。いろいろな場合を考えたんですよね。

 そこで、実力をつけることも、資産形成も大事なのかなって。金利を考えて、どうやって生きていったらいいか計算していたんです。

 事業を推進する上では役に立たない話ですが、リアリティを持って数字と向き合ってきたという意味では、今も役に立っている気がします。