決算書を読み解くことでビジネスモデル別の成長戦略が理解できるようになると評判の書籍『MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣』。著者のシバタナオキ氏は、決算に載っているような数字の情報をビジネスで使える知識に変換する力を「ファイナンス・リテラシー」と呼んでいます。

 このファイナンス・リテラシーを高める方法を、さまざまなトップビジネスパーソンとの対談で探っていく短期連載、第1回に登場するのは各種サイトのグロースハック支援を行う株式会社Kaizen Platformの代表取締役・須藤憲司氏です。

 現在は起業家として活躍している須藤氏。自身のファイナンス・リテラシーを高める原体験は、新卒で入ったリクルート時代にあったと語ります。

苦労なくして「リアリティのあるデータ」は得られない

シバタ:須藤さんは起業する前、リクルートグループでライフイベント系のメディア事業を行う会社の執行役員をやっていましたよね。事業にまつわる数字関係には、もともと強かったのですか?

須藤:いえいえ。一応、大学時代は商学部だったので簿記だけは習いました。でも、こういうのは有用性が分からないと、全然身に付かないんですよね。勘定科目なども、何でこんなこと覚えなきゃならないんだろうという感じで、1ミクロンも頭に入ってきませんでした(笑)。

須藤憲司(すどう・けんじ)氏
株式会社Kaizen Platform Co-founder & CEO。2003年に早稲田大学を卒業後、リクルートに入社。同社のマーケティング部門や新規事業開発部門を経て、リクルートマーケティングパートナーズ執行役員に就任。その後、2013年にKaizen Platform, Inc.を米国で創業。WebサイトのA/Bテストを簡単に計画・実行できるツールと、7000名を超えるグロースハッカーから改善案をオンラインで募ることができるクラウドソーシングからなるUI改善プラットフォーム「Kaizen Platform」を提供している。

シバタ:じゃあ、本格的に数字の読み方を学んだのは社会人になってから?

シバタナオキ氏
元・楽天株式会社執行役員、東京大学工学系研究科助教、スタンフォード大学客員研究員。東京大学工学系研究科博士課程修了(工学博士、技術経営学専攻)。スタートアップを経営する傍ら、noteで「決算が読めるようになるノート」を連載中。経営者やビジネスパーソン、技術者などに向けて決算分析の独自ノウハウを伝授している。2017年7月に書籍『MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣』(日経BP社)を発刊。

須藤:そうですね。新卒でリクルートに入社して、雑誌のマーケティング担当になってからです。

 最初の1年は、リクルートの全雑誌を担当したんですよ。当時、120点くらい種類があったんですけど。アルバイト求人雑誌の『フロム・エー』なんて、月曜と木曜の週2回刊行ですよ。一つ終わったら、すぐ次が来る。

 他にも『住宅情報』『ガテン』『とらばーゆ』といった週刊誌を一度に10誌担当していたので、毎月40回くらいPDCAを回すことになるわけです。