「日米の摩擦は削れ、つるつるになっている」

世耕:働き過ぎ、長時間労働はよくない。「残業規制」というのは非常に重要なテーマです。また非正規の皆さんの不公平をなくすという意味で、「同一労働、同一賃金」を実現していくことも非常に重要。一方で経産省としては、柔軟な働き方を推進することも重要だと考えています。

 これ、先ほどのシェアリングエコノミーとも関係してきますけれども、フリーランスや副業、あるいは「クラウドソーシング」、そういった働き方が浸透しない限り、人口が減っていく中で、成長は難しい。自分の自由な時間をうまく切り売りするような形で働きたい、という人が世の中にはたくさんいるわけですから、そういう人の労働参加を促していくことで、成長につなげていくということです。

なるほど。ところで経産省には、環太平洋連携協定(TPP)を離脱した米国と2国間交渉を進めるというミッションもあります。かつての日米貿易摩擦とは違う新しい摩擦が生じるのではないかという懸念もある中、どう対峙していくつもりでしょうか。

世耕:私も、結構、通信摩擦などを見てきた立場でして。日米の貿易交渉は随分とやってきていて、摩擦するざらざらした部分は削れ、日米はつるつるになっているんですよ。ですから、今から2国間交渉をして、すごくガチンコになることは、私はそんなにないと思っています。

 逆に、日米から見ると、まだざらざらの国、エリアというのはたくさんある。日米がこれまで積み重ねてきたいろいろな2国間交渉のノウハウを生かしながら、日米が連携をして、世界の貿易秩序を作っていくというのが、私は日米両国の国益になると思っています。これに、トランプ米大統領やトランプ政権の経済閣僚が賛成してくれるかどうかは分かりませんが、私はそういうふうに考えています。

メキシコ工場の建設を進めるトヨタ自動車に対して、トランプ大統領が就任前にツイッターで牽制するようなつぶやきをするなど、不穏な空気があります。

世耕:まずはファクトをよく説明して理解してもらうことが重要です。トランプ大統領は米国内の雇用が非常に大きな関心事なんだろうと思いますが、実は日本企業の米国内の雇用創出って半端じゃなく大きい。そういうことも含めて、日本は摩擦を生じさせる相手ではない、ということをよく理解していただきたいと思います。

かなり楽観的に考えているということでしょうか。

世耕:いや、それはまだ分からないです。先ほどのは、まだ私の頭の中での話ですから、まずは私のカウンターパートである米商務長官などと、できるだけ早く直接お会いし、しっかり対話をしていきたいと思います。

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