次世代産業という意味では、欧米では共有型経済を掲げるシェアリングエコノミーが急拡大しています。

世耕:シェアリングエコノミーの革命は、あまりにも既存業界の抵抗が強く、日本では気配すら見えないという状況ですから、気になります。

 「民泊」の方は、何とか風穴を開けつつある状況です。これは私が官邸時代、内閣官房副長官を務めていた時に、私の下で観光分野と住宅分野を担う国土交通省や観光庁、あと厚生労働省も一堂に集め、規制改革会議も絡めて徹底的に議論をし、何とか「Airbnb(エアビーアンドビー)」のようなサービスは展開できるようにしました。

 ただ、「カーシェアリング」はまったく進まないという状況で、これはやや大きな課題だなと思っています。ちょっと世界から取り残されちゃうかなと。空港に着いて「Uber(ウーバー)」で(ライドシェアカーを)呼べないのは日本だけですから。

 民泊が解決したのは、「これ、メリットになるじゃん」という人が出てきたからなんですね。それは、賃貸住宅業界であり、そこに住宅を供給している家主さんたち。そういった人たちが声を上げてくれたことで、まとまりやすくなった。しかし、カーシェアリングではなかなか「メリットになる」という人たちが出てこない。

既存産業のために何かをするのではなく、新しい産業や市場、雇用を創出する、という観点に切り替えればいいのではないでしょうか。

世耕:その通りです。ですから私は、カーシェアリングの突破口は、運転する「ドライバー」だと思っています。自家用車が空いている時に乗ってもらえれば、結構お金が稼げるじゃないかと。そういう理解がだんだんと広がっていけば、意外と攻められるのではないか。だから、一般のドライバー、あるいは車を余らせている人が、「お金を稼ぎたい」という声を上げだせば、それが突破口になると思います。

 実は、この話は私が力を入れている「働き方改革」にもつながります。

昨年、経産省が公表した「新産業構造ビジョン」中間整理のパンフレット
昨年、経産省が公表した「新産業構造ビジョン」中間整理のパンフレット

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