パートやアルバイトの待遇改善につながる(写真はイメージ)

年3%程度の引き上げが続く

 東京の最低賃金が1000円を超える日が近づいている。厚生労働省の中央最低賃金審議会は7月25日、2017年度の最低賃金の目安を決めた。全国平均で時給を25円引き上げ848円にするほか、東京都は26円引き上げて958円とした。今後、各都道府県の審議会が、地域別の最低賃金を正式に決め、10月をめどに改定後の最低賃金が適用される。

 政府は2016年6月に閣議決定した「ニッポン一億総活躍プラン」で、最低賃金の「年3%程度の引き上げ」を盛り込んでいた。全国平均の引き上げ率は昨年に続いて2年連続で3%を超えた。東京都の最低賃金も2.7%程度の引き上げが続いており、このペースが続けば2年後の2019年には、最低時給が1000円台に乗る。安倍晋三内閣が中期的な目標としてきた「時給1000」円が実現する。

 安倍内閣は最低賃金の引き上げを重点政策のひとつとしてきた。第2次安倍内閣が発足する前の2012年の最低賃金は全国平均で749円、東京都で850円だった。それ以降、毎年引き上げられ、5年間で全国平均が99円、東京が108円引き上げられた。率にすると全国平均で13.2%、東京で12.7%という大幅な引き上げだ。民主党政権時代も最低賃金の引き上げに積極的だったが、2012年までの5年間の上昇率は全国平均で9%だった。最低賃金に近い時給で働くパートやアルバイトなど非正規社員の待遇改善につながってきたとみられる。

 最低賃金の引き上げには中小企業経営者などの反発が強い。彼らを有力支持母体とする旧来の自民党は最低賃金の引き上げには慎重な姿勢だった。ここへきて毎年3%の引き上げが実現している背景には、深刻な人手不足によって、パートやアルバイトの時給が実際に上昇していることがある。人材を確保するには時給を引き上げざるを得ないという現実問題が先行しているのだ。ここ数年の急ピッチの最低賃金引き上げには抵抗感はあるものの、反発はあまり大きな声になっていない。