保育園の質が低下しても、預けるしかない

女性が働くためのインフラとして保育園の整備問題が大きく取り上げられています。

中野:待機児童問題は、保育園を増やすという量の問題もありますが、質の問題も大きい。保育園の設置基準が行政によって緩和されることで、質が下がっている部分も確実にあります。ただ、一方で、量が絶対的に足らないから選択肢がなく、質の良い保育園を選べないという問題もあります。

 お母さんたちと話していると、本来は入れたくない保育園なんだけど、そこに入れないと働けないから仕方がない、という声をしばしば聞きます。本来なら子どもにとっての環境などを第一に考えるべきなのでしょうが、目をつぶって預けるしかないわけです。

解決方法はありますか。

中野:両親が判断するための、情報公開をもう少しきちんとすべきではないでしょうか。例えば、親からのクレームを受けた件数や内容、それにどう改善策を打ったかといったネガティブ情報はほとんど手に入りません。ケガなどの事故の件数もほとんどわかりません。もちろんすべてが保育園側に責任があるわけではありませんが、情報自体が出てきません。口コミで真偽不明の情報が広まっているのが実情です。

情報プラットホームの整備が必要というわけですね。

中野:はい。あるいは第三者による評価の仕組みなどがあっても良いのではないでしょうか。

ベビーシッター代を経費として認めよ

ベビーシッターの費用を経費として認めるべきだ、という主張もされていました。

中野:フリーランスとして働く場合、自分が働くために子どもをベビーシッターに預けるので、それは当然経費として認められるべきだろう、と感じます。納税申告も自分でしているわけで、経費として所得控除されるのは分かりやすいですね。一方で、会社に所属している場合、例えば土日に出社せざるを得なかった場合などは、会社が全額もしくは半額を補助すべきなのではなかと思います。会社員の場合、一般的には確定申告をしていないので、経費控除と言ってもピンと来ないのではないでしょうか。

日本の場合、女性が働く場合に、様々な文化的な摩擦があるようにも思います。

中野:女性が活躍できるように、女性の働き方を変えるというのは、本当はおかしいのではないでしょうか。日本社会全体での働き方が変わることで、女性も男性も働きやすくなり、子育てや生活を楽しむ余裕ができるようになるべきです。女性が働きやすいように会社の一部の仕事だけが変わり、他は従来通りということになると、マミートラックの拡大版でしかありません。大半の女性は限定正社員として働いて、一部の総合職がバリバリ働くというのでは、今までと何も変わりません。会社全体、社会全体の働き方を変える必要があるのです。