経営危機に陥っている東芝は、損失を穴埋めし経営再建を図るため、稼ぎ頭の半導体事業の切り離しを3月30日の臨時株主総会で決議した(写真:ロイター/アフロ)

東芝が労働組合に提示した「緊急対策」

 経営危機に直面している東芝は労働組合に対して、さまざまな手当の削減などを盛り込んだ「緊急対策」を提示、組合側もこれを受け入れた。

 会社側が提示した「緊急対策」は、一般社員の①時間外勤務手当や深夜手当の割増率の圧縮、②裁量性やフレックス制の休止、③出張旅費の見直しなど。例えば、時間外勤務手当は平日130%だった割増率を法律で定められた125%に引き下げる。さらに「業務手当」や「半期成果加算」も取りやめることになった。「海外職務手当」は資格によって異なるが、ヒラ社員の場合、月額5万円が4万8000円になる。

 いずれも4月から来年3月までの措置としており、組合も「雇用の確保のためには、現下の深刻な経営状況から一刻も早く脱却することが喫緊の課題」だとして、受け入れを決めている。

 米原子力子会社の経営破たんによって、2017年3月期は1兆円を超す赤字に転落するとの見通しを明らかにしている東芝だが、第3四半期である昨年10~12月期の決算すら正式発表できていない。通期決算がいつできるのか、それを監査法人が承認するのかも不透明なままだ。これだけの赤字なのだから、雇用条件を一律にカットするのは致し方ないことのようにも映る。