企業は「成果」を求める姿勢に変わりつつある

 テレワークの場合、どうやって労働時間を把握するのかという問題がつきまとう。パソコンのスイッチを入れると時間カウントが始まるといったソフトを導入している会社もあるが、企業側が単に社員に働いている「時間」を求めるのではなく、働いた結果の「成果」を求める姿勢に変わりつつあることを示している。

 そうした働き方が増えれば、企業が求める成果が週に数日の勤務で達成できてしまうケースもある。従来ならば、そうした優秀な社員には別の仕事を与え、とことん使おうとしてきた。どうせ時間で拘束しているのだから、遊ばせておくのは無駄だというわけだ。

 だが、企業が従業員に「副業」や「複業」(※複数の仕事を持ち、どちらが「主」でどちらが「副」と言えないような場合は「複業」と呼ばれる)を認めれば、自らの専門能力を複数の会社に役立てることが可能になる。

サイボウズは、自社の仕事を複(副)業とする人材を募集

 厚生労働省の懇談会などで「副業」や「複業」の解禁を訴えてきたサイボウズの青野慶久社長は、自社で「複業採用」を始め、大きな話題になった。だが、「副業」や「複業」が可能になるには、そもそも元の会社の労働時間が短いことが前提になる。

 ヤフーが打ち出した「週休3日制」の導入も大きな話題だ。育児、介護、看護などを抱える社員で希望する人を対象に導入。給与は週5日勤務が4日勤務に減る分、給与も2割程度減るようだ。

欧州では「80%」「40%」といった働き方もある

 スイスなど欧州では「80%」「40%」といった社員の働き方がある。週5日のところ4日働くのが「80%」、2日働くのが「40%」だ。日本の非正規雇用とは違い、社員として処遇され、社会保険料もその比率に応じて納める。

 日本でも同一労働同一賃金が実施され、非正規の差別的な待遇が禁止されることになれば、そうしたフルタイムでない正社員の仕組みが必要になるだろう。そうした制度ができれば、2社で50%ずつ働くことも可能で、「副業」や「複業」がやりやすくなる。

 ヤフーでは今後、「週休3日」の対象社員を広げていく計画で、業務の効率化で給与を下げずに週休3日制を実現できないかを検討していくという。

 ヤフーは「働き方」や職場環境の改革に熱心に取り組んでいる。2016年10月には新卒一括採用の廃止を決め、全職種を対象に、入社時に18歳以上で応募時に30歳以下であれば、新卒・既卒を問わず応募できる「ポテンシャル採用」を始めた。この結果、前の年の数倍のペースで採用募集に応募が集まっているという。

次ページ 「日本全体が変わるかどうかは、大企業次第」という意見も