さらに、想定される具体的な事例を掲げて、問題を未然に防ぐ方法を示したり、問題が起きてしまった場合の対処方法を示した「ガイドブック」も作り、今年1月号の機関誌と共に指導者全員に配布しました。子ども同士の問題や指導者と子どもの問題、大人同士の問題など、13の具体例(以下のケース)を挙げて説明しています。

「セーフ・フロム・ハーム」に関わる 問題の発生と対応

① スカウト同士における問題発生と対応
【事例1】…「いじめの通報」
【事例2】…「悪ふざけといじめ」
【事例3】…「弱者へのいじめ」
【事例4】…「無視(ネグレクト)」

② スカウトと指導者における問題発生と対応
【事例5】…体罰
【事例6】…心理的な虐待

③ 大人同士の問題
【事例7】…未経験者の孤立
【事例8】…性別による差別や軽視
【事例9】…保護者とのコミュニケーション
【事例10】…スカウト活動中の飲酒

④ SNSの危険性
【事例11】…SNSの中での誤解
【事例12】…SNSの中での悪口や、悪口への同調
【事例13】…個人情報の流出

(出典:「セーフ・フロム・ハーム ガイドブック」)

 さらにウェブ上で「eラーニング」が受けられる仕組みを作りました。画面をクリックして読み進んでいくと章ごとに簡単な質問が出され、それに正解しないと先に進めないようになっています。2017年度からはこの研修を修了しないと、加盟登録ができないようにしました。ちなみに、どなたでもウェブ上で研修を受けることができますので、是非、アクセスしてやってみてください(以下の囲みの中のページの「eラーニング」の項目)。

セーフ・フロム・ハームとは」(http://www.scout.or.jp/sfh/)

 さらに各地域で勉強会を開いて、様々な問題点を議論する機会を作ります。

危害を受ける環境から、どうすれば逃げられるか

終了しないとボーイスカウトの指導者になれない訳ですか。

増田:指導者としてこの運動に関わる大人に、きちんと理解してもらうことが大事です。問題になった学校のいじめ問題で、先生が一緒になって被害者の子どもを追い詰めていた事例がいくつも明らかになっています。ボーイスカウトの組織では決してそうした問題を起こさない、そのために全員が登録時に「確認」するということです。「セーフ・フロム・ハーム」を理解するのはもちろん加害者にならないためでもありますが、被害者になるのを避けるという側面もあります。「ハーム」を受ける環境からどうすれば逃げることができるか、どうやったら自分を守れるかを学んでいくことも重要です。