人間関係のあらゆる側面で、「問題」は起こり得る

子どもを様々な危害から守る、ということですか。

増田:もともと「チャイルド・プロテクション」とか「ユース・プロテクション」と呼んでいましたが、成人と子どもの関係だけでなく、子ども同士、指導者同士、指導者と保護者といった人間関係すべてにおいて、問題が起きる可能性があるわけで、対象を広げる形で「セーフ・フロム・ハーム」という言葉を使うようになりました。

日本語訳はないのですか。

増田:加盟員の皆さんからも分かりやすい日本語にすべきだ、という声があり、議論しました。しかし、どうも日本語にするとしっくり来ないのです。また、日本語だと聞いただけで分かったつもりになってしまいます。一応、サブタイトル的に「思いやりの心を育む」という言葉を掲げましたが、カタカナで通すことにしました。「セーフ・フロム・ハーム」という言葉を理解した段階で、初めて身に付くと考えています。

具体的にはどんな考え方なのでしょうか。

増田:日本連盟では2015年に「ガイドライン」を作りました。そこに「すべての人の尊厳を尊重する」「すべての成人・青少年を平等に扱う」「相手の嫌がることは、自分が善意のつもりであっても行わない」「すべての人に対し、脅威を与えたり脅威を感じさせたりする言葉を使わない。どのような悩みにも親身になって相談に乗り、対応する」といった事が書かれています。さらに、ウェブサイトを活用する時に誰でも見られることを意識して個人情報の流出に注意することや、スカウトの前では喫煙しないこと、スカウト活動中には飲酒をしないことなどが定められています。

「セーフ・フロム・ハーム」ガイドライン

・すべての人の尊厳を尊重する。

・すべての成人・青少年を平等に扱う。

・相手の嫌がることは、自分が善意のつもりであっても行わない。

・すべての人に対し、脅威を与えたり脅威を感じさせたりする言葉を使わない。どのような悩みにも親身になって相談にのり、対応する。

・ウェブサイトは誰でも見られることを意識して内容を選ぶ(個人情報、顔写真などを本人または保護者の許可なく投稿しない)。

・活動中にスカウトの前で喫煙はしない。

・スカウト活動中は飲酒をしない。

(出典:「セーフ・フロム・ハーム ガイドブック」)