国会で議論が本格的に始まる

「70年ぶりの大改革」は実現するか

 「働き方改革」を巡る国会論戦がスタートした。1月22日に2018年の通常国会が開幕し、衆参本会議場での安倍晋三首相による施政方針演説と代表質問が行われた。

 安倍首相は施政方針演説で「働き方改革を断行いたします」と宣言し、「戦後の労働基準法制定以来、70年ぶりの大改革」に乗り出す意欲を示した。

 そこでまず掲げたのが「同一労働同一賃金」の実現。「雇用形態による不合理な待遇差を禁止し、『非正規』という言葉をこの国から一掃」するとした。2点目は「働き方に左右されない税制」。所得税の基礎控除を拡大する一方で、「サラリーマンなど特定のライフスタイルに限定した控除制度を見直す」とした。これは既に年末に閣議決定した税制改革大綱で、サラリーマンに限定されている給与所得控除を縮小する方針として打ち出されている。

 3つ目が「長時間労働」の打破。昨年3月末に「働き方改革実現会議」が打ち出した罰則付きの残業規制の実現に意欲を示した。時間外労働の限度を設ける労働基準法改正案はこの国会に提出されることになっており、いよいよ国会での本格的な議論が始まる。首相はこれに付随して「専門性の高い仕事では、時間によらず成果で評価する制度を選択できるようにします」と述べた。いわゆる「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の導入で、政府の方針としては「残業時間規制」と同時に「高プロ導入」を行うというスタンスだ。

 さらにテレワークや週3日勤務を積極的に導入したことで、大企業を辞めた優秀な人材を集めることに成功したベンチャーの事例などを紹介。「ワーク・ライフ・バランスを確保することで、誰もが生きがいを感じて、その能力を思う存分発揮すれば、少子高齢化も克服できる」とした。働き方改革は社会政策にとどまるものではなく、「成長戦略そのもの」だとしたのである。

 今国会での焦点は、前述3つ目の労働基準法の改正案が通るかどうか、である。