日本の総人口の「1.6%」は既に外国人

 本来は労働力として受け入れたいのだが、国があくまで「移民政策は取らない」「単純労働者は受け入れない」という頑なな態度を取り続けているために、「建て前」の制度を利用せざるを得なくなっているのだ。

 ローソンの社長が、「はい。人手不足対策として不可欠です」と言ったとしたら、その段階で政府はコンビニ店員を技能実習生として受け入れる道を閉ざしてしまう恐れがあるのだ。

 問題を直視せず、本音を語らず、建て前だけの制度を守る。あまりにも日本的な対応と言えるだろう。

 だが、そうやって「なし崩し的」に外国人労働者を受け入れていることが、将来に禍根を残すことになりかねない。成人式からも分かるように、日本に住んでいる外国人は、社会生活を日本で営むことになる。当たり前の話だが、労働者は生活者でもあるのだ。

 これを欧米先進国では「移民」と呼んで、当然の存在とみなしているが、日本では欧州に大量流入した「難民」問題などと区別もせず、外国人受け入れが社会混乱をもたらすといった恐怖心ばかりが煽られている。

 この結果、政府は真正面から移民問題を議論しようとしていない。国際的な基準では1年を超えてその国に居住する外国人は「移民」という扱いで、日本でも総人口の1.6%が外国人になっている。欧米諸国に比べればまだまだ少ないが、日本人人口の減少が続けば、さらに人手不足が深刻化し、外国人受け入れが不可欠になるだろう。

 その時に明確な移民政策をもたず、生活に必要な日本語や日本の社会制度の教育もまったく義務付けないままで、なし崩し的に外国人が流入してくれば、日本国内に民族ごとのムラが出来上がり、社会的な摩擦の原因になりかねない。ドイツなど移民先進国が過去に犯した失敗を、みすみす日本も繰り返そうとしているようにみえる。

 今後ますます進む人手不足を補うには、長期にわたって日本に住む定住外国人に頼らざるをえないのは明らかだ。そのためにも、早急に外国人受け入れ問題に真正面から向き合う必要がある。