「資格外活動」労働者は3年で2倍に

 昨年末の12月25日、朝日新聞がコンビニ大手ローソンの竹増貞信社長のインタビューを掲載した。コンビニの業界団体である日本フランチャイズチェーン協会が、外国人技能実習生の対象に「コンビニ店員」を加えるよう要望しようとしていることに関して、「必要だ。やるなら早い方がいい」と語っている。

 一方で、理由は「人手不足対策ではない」と強調したというのだ。「レジ係に限らず、コンビニには商品の発注や店舗の清掃など小売業のノウハウが満載だ」「コンビニ業務を身につけて自国に帰れば、その国の小売業で活躍できる」と語ったのだ。

 これにはネット上などで猛烈な批判の声が上がった。ローソンの場合、店舗のスタッフの5%程度が外国からの留学生で、語学学校が集まる東京の都心部では3割が外国人留学生だという。多くの読者はコンビニの外国人店員と日ごろ接している。彼らがいなくなったら営業が回らないであろうことは容易に想像できるだろう。「人手不足対策ではない」という竹増社長の発言が「建て前」であることはミエミエなのである。

 そもそも、急増している外国人「留学生」も、本当の狙いは日本で働く事にあるケースが多い。留学生ビザでは一切働くことができない米国などと違い、日本にやって来た留学生は週に28時間までアルバイトをすることが認められている。さらに夏休みなど長期休暇の間は1日8時間まで働くことができる。

 留学生ビザは、日本語学校などへの授業料が全額支払われていれば、簡単に取得できる。最近急増しているネパールやベトナムからの留学生の多くが、借金をして授業料を払って日本にやってくる。間には業者が介在し、日本で働いた賃金から借金を返済することになる。要は体の良い「出稼ぎ」の仕組みとして利用されている。「留学生」という枠組み自体が「建て前」なのである。

 留学生は働く資格がないということで「資格外活動」として厚生労働省の外国人労働者数の統計に登場する。2013年に12万1770人だった資格外活動の労働者は2016年には23万9577人と、わずか3年で2倍になった。2017年10月時点の統計は今年1月末に公表される予定だが、さらに大きく増えていることは間違いないだろう。

 コンビニ業界が「技能実習制度」の枠組みにコンビニ店員を加えるよう求めているのは、そうした留学生の資格外労働に厳しい目が向けられつつあることと無縁ではない。技能実習ならば、国が認めた制度であり、外国人を働かせることが可能になる。

 しかし、「人手不足対策ではない」と言い張らなければならない社長にも同情すべき点はある。技能実習という制度それ自体が「建て前」の制度だからだ。日本で技能を実習して帰り、それを自国で役立たせる、あくまで国際貢献の仕組みだというのが制度の目的になっている。たとえ、自国には造船業が存在しない国からやってくる労働者でも造船業界で「技能実習生」として働けるし、コンビニがない国からやって来た若者にもノウハウを教えることができる。

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