「反発は覚悟の上」

 ただ、低い評価を付けられた地域の不動産業者や自治体にとっては、魅力に乏しいと宣告されたに等しい。増田寛也元総務相ら民間有識者でつくる日本創成会議が2014年、人口減少などで将来に消滅する可能性がある都市を発表した際には、名指しされた自治体が猛反発した。一企業のサービスとは言え、リブセンスのレーティングも同様な反発を引き起こしても不思議ではない。

 芳賀氏は「反発は覚悟の上」と意に介さない。「便利で使いやすいサービスならば、結果として消費者の支持が付いてきて市場が形成されるはずだ」。

 むしろ「海外のネット企業が、市場性ありとみて同様なサービスを投入することの方が脅威だ」と強調する。「海外企業は良くも悪くも空気を読まないで、斬新なサービスを投入する。そして気がつけば市場を根こそぎ持って行く。こんなことがこれまで何度となく繰り返されてきた」。リブセンスとして不動産サービスに参入する背景には、こんな問題意識もあるという。「日本企業は規制や周囲の目を気にして、斬新なサービスを投入することへ及び腰になっているのではないか」。

囲い込み、オトリをあばく

 同じ不動産会社が、売り主と買い主の両方から手数料を受け取るため、他の不動産会社からの物件照会を門前払い。売り主の利益代表として最も高く買ってくれる相手を見つける努力を怠り、自社で見つけた買い主以外とは取引できないようにする――。不動産業界に根強く残るとされる悪弊、「囲い込み」だ。

 この囲い込みを打破しようとしたベンチャーがいる。イタンジが手掛ける、「囲い込みチェッカー」だ。昨年5月に提供を開始。当初は無料だったが、利用者が多く8月からは一回3000円と有料化した。

イタンジの「囲い込みチェッカー」。当初は不動産会社からの反発もあったという

 利用者はイタンジのウェブサイトに物件情報を入力し、調査を依頼する。依頼を受けたイタンジは、同担当者による覆面調査を実施。該当の物件の募集状況を調べる。利用者が物件情報を入力してから、1営業日以内に判定結果を知らせる。

 同社の「異端」なサービスはこれにとどまらない。その名も「オトリ物件チェッカー」というサービスも昨年実施した。賃貸物件が対象のサービスだ。不動産会社が客寄せのために、実在しない物件を賃貸情報Webサイトに掲載。問い合わせしてきた客に「もう埋まってしまいました」などと回答し、ほかの物件を紹介するという「おとり行為」を調べる。