なぜ大学が任せてしまうのか

 いずれにしても、問題作成の依頼は、一般には知られていないが、大学関係者間では当たり前といった雰囲気さえある。文部科学省も「問題作成を外部委託している大学があるのは承知している」(高等教育企画課)とその存在を認識しているが、強い指導を行うこともなく半ば黙認している状況だ。

 どんな人材を大学に入れて育てるのかを左右する「魂」とも言える入試問題を、どうして大学は外部へ作成依頼するのか。ある私立大学の入試責任者は、「大学に金がないことが根本的な原因だ」と話す。

 少子化が進む中で、大学が増え続け経営が厳しくなっていることに加え、国からの補助金も減っている。大学経営が厳しくなる中、大学教授が退職しても新たな常勤の教員は補充しないといった手段で、教員数を削減する動きが広がる。結果として、正しく高校の学習内容の範囲で問題を作れる教員がいなくなった。いたとしても少数であるため、「推薦やAO入試など、多様な入学方式を自分たちが作ったがために、試験の種類が数倍に膨れ上がり、自分たちで作成できなくなった」(予備校関係者)面もある。

 では大学は、入試の種類を減らして単純化するのが合理的なのではないか。しかし、それは難しいという。「大学は定員割れすると、4年間欠員分の収入が入ってこない。大幅な定員割れを避けるために、一般入試前に一定数を合格させて“基礎票”を固める必要がある」のだ。「受験料も貴重な収入源で手離せない」という事情もある。大学は自縄自縛の状態に陥ってしまっている。