上位を残して下位を切る

 どの企業も人材の平均パフォーマンスを高くしたがっている。社内研修によって生え抜き社員を育ててパフォーマンスを高める場合は、その企業の平均的な能力値の社員が主な研修の対象者だ。

 これに対してHPEのように外資系企業の研修は、全体の中で特にパフォーマンスが高い人材を手放さないようにするためのものだ。学習意欲の高い優秀な人材が受けたい研修を提案し、会社がそれを受け入れて機会を与えている。

 その一方で「ローパフォーマー3人の変わりに外部からハイパフォーマー2人を採用するといった人事は常に考えている」(吉田社長)。能力の高い社員を厚遇して会社に残し、能力が低い社員には入れ替えていく。それが外資系企業にとって社員の平均パフォーマンスを高める方法だ。

日本ヒューレット・パッカードの吉田社長
日本ヒューレット・パッカードの吉田社長

 会社全体として見れば、社員を育てることよりも初めから優秀な人材を確保することに重きを置く。外資系企業らしいと思う人も多いかもしれないが、こうした判断は日本企業でも広がっている。次回は人材の流動化を高めはじめた日本企業の事例を紹介する。