3月15日、丸紅はスタジオジブリと組み、家庭向け電力メニュー「プランG~未来に残したい日本がある~」を発表した。

 電気料金は従来の規制料金に比べ5~10%安い。電気料金の一部を森と緑の保全活動に充てるというものだ。三鷹の森ジブリ美術館に電力を供給するほか、トトロの森のナショナルトラスト活動を支援する。

 ジブリは国宝の鳥獣戯画を題材にテレビCMを作成した。鈴木敏夫プロデューサーは、「再エネには賛成」と話す。

 プランGとは別に同社は、既に「プランS」も発表している。これは価格を訴求したもので、使用電力量当たりの単価が月300kWhを超えると、規制料金に比べて1kWh当たり関東で13.43%、関西で19.27%安くなる。

 ただ、丸紅新電力の福田知史社長は、4月からの家庭向けの電力販売について独自のスタンスをとっている。

 競合他社が顧客獲得に血眼になるなか、福田社長は「みんな焦り過ぎ。自由化の初年度は助走期間でいい」と言い切る。

 泰然自若なのか、出遅れたのか。福田社長に話を聞いた。

(1、2ページ目は記者会見での質疑応答で、3ページ目以降は福田社長への単独インタビューです)

スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー(右)は、丸紅新電力の福田知史社長(左)と「相性が合う」と話した(写真:北山宏一)

なぜ丸紅はスタジオジブリと組んだのですか。

福田:我々は極力、国産の自然の電力を増やそうとしています。全都道府県で再生可能エネルギーを開発するのが目標です。小水力発電とバイオマス発電、洋上風力発電などを手がけています。

 例えば、福島県の下郷町では森の中に小さいながら小水力発電所を建設しました。

 丸紅として、水と緑に調和した電力を作りたいという思いがあるのです。

 そのイメージを具体的に表すことを考えている時に、広報部からジブリさんを紹介してもらいました。

 「鈴木さんは怖い方ではっきりモノを言われるので、下手すれば2~3分で門前払いもあり得る」と聞いたので、非常に緊張しながら2015年末に伺いました。結果的に1時間半ほど話しました。

宮崎駿監督も喜んだ

鈴木:ぜんぜん緊張していなかったじゃない(笑)。

 今回はまず第一にいろんなご縁を感じています。ジブリが徳間書店の傘下にあった時に、丸紅さんとは一緒に映画を作ったことがありました。数十年前の話だったので、丸紅って聞いた時は懐かしいなって感じました。

 当初はテレビCMを作るだけしか考えていませんでしたが、福田さんからいろいろな話が出てきました。三鷹の森ジブリ美術館に電力を供給してくれるというので、宮崎(駿監督)に相談したら「それは、いい会社だ」と喜んでいました。

 テレビCMについては、いつの日か(国宝の)鳥獣戯画を動かしたいという気持ちがありました。鳥獣戯画はみなさんが知っている絵ですが、宮崎と高畑(勲監督)も鳥獣戯画が好きです。

 私自身が20年前から京都の高山寺に行っていまして、そのお寺が鳥獣戯画を持っているのです。そんな縁もあります。