契約切り替えの感応度は高い

 これまで、消費者は電力料金がどれくらい安くなると契約を切り替えるかが議論されてきた。

 経済産業省が昨年11月に実施した調査では、月の電気料金が従来より5%安くなれば切り替えると答えた人の割合が25%だったが、日経エコロジーの調査では5割を超えている。また月に3%の割引率で27%の世帯が切り替えを検討すると答えている。

 新料金は従来の従量電灯より5%以上安いところが多い点を考慮すると、切り替えが大幅に進む可能性がある。

電気料金がどれくらい安くなれば、電力会社の切り替えを検討するか

ガス小売りへの理解はこれから

 各社が積極的に宣伝し、多くのメディアが取り上げていることから、電力自由化への理解は進んでいる。

 本誌の調査では「電力の小売り自由化についてよく知っている」と答えた人の割合が、22.6%に上った。

 一方、2017年4月から始まるガス小売りの全面自由化については理解が進んでいないようだ。

 「ガスの小売り自由化についてよく知っている」と答えた人は6.5%にとどまり、「聞いたことはある程度」は20%、「知らない」が39.9%に上った。

 まだ制度の詳細が決まらず、広報活動も進んでいない。ガス会社が電気とガスのセット割引について2年縛りにしているケースもある。

 今後も認知度が高まらなければ、ガス小売りへの新規参入事業者には不利な立場に追いこまれそうだ。

電力会社を選ぶ際に参考にする点

31.9%が再エネなど環境対応を参考

 アンケート調査で興味深かったのは、再生可能エネルギーや原子力発電への関心が高かった点だ。

 「電力会社を選ぶ際に参考にする点」を聞くと、「料金が高いか安いか」が80%でトップだった。

 その一方で、「再エネを使って発電しているかなど環境対応」が31.9%、「原子力発電を行っていないなど発電方法」が27.3%だった。

 エコマムという環境意識が高い読者の回答が多いとはいえ、この結果は環境対応のメニューに一定の需要があることを示している。

 その傾向は特に男性より女性に強い。女性は再エネに33.7%、原子力発電を使っていない発電に30.8%が参考にしていた。

 こうした消費者からは、太陽光発電所の建設に積極的なソフトバンクや生協の人気が高かった。

 3月11日に東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故から5年目の節目を迎える。

 電力自由化が進んだきっかけは、震災直後の東電の計画停電や、電力各社の料金値上げだった。

 今回はコラム名に「総選挙」という言葉を入れた。政治の在り方を決めるのが国民の投票であるように、日本のエネルギーの在り方を決めるのは消費者一人ひとりの選択だ。