需給管理システムなどは全て自前で作った

なぜ鉄道会社である御社が電力小売りに参入したのですか。

:東急というと鉄道が有名ですが、駅ビル、百貨店、ケーブルテレビなど、東急沿線住民の生活に密着したサービスを展開してきました。電力といえば生活サービスの最たるものです。電力小売りで、生活サービスの主要メニューを加えたいと考えました。

 事業参入は2014年の12月に決定しました。自由化に先立って、2015年4月から、東急グループの商業施設やオフィスなど、すでに自由化されている自社拠点へ電力を供給し、電力需給業務の経験を積んできました。現在、グループ施設の約100拠点に供給しており、月間契約電力量は約3万kWの規模に上ります。

 需給管理システムなどは全て自前で作りました。夏や冬の電力消費のピークでどう対応すればいいかを経験したことで、オペレーションに自信がつきました。企業向けと家庭向けは違うと思いますが、全面自由化後も気を引き締めてやっていきたいです。

電力の調達は。

:電源を持つ企業との相対契約、東京電力の常時バックアップ、日本卸電力取引市場の3つから調達しています。最も多いのは、自家発電を持つ新電力などからの調達です。自前の電源を持つ予定は今のところありません。

東急沿線の至るところに宣伝ポスターがある

他社と比べた御社の強みはどこですか。

河内:私たちが扱っている商品やサービスは、電車、百貨店、テレビ、電話など、消費者が毎日使うものです。ここまで特化した事業者はいないのではないでしょうか。

 通勤や買い物で毎日乗る電車では、乗るたびにポイントが貯まるサービスを提供しています。2018年3月末までに「東急でんき」に契約すると、貯まるポイントが2倍になるキャンペーンを実施しています。

 貯めたポイントを使えば東急ストアで買い物ができますし、東急系のホテルでディナーを楽しむこともきます。ICカードにチャージして電車やバスに乗っていたただくことも可能です。東急沿線に住んでる限りは使い所に困りません。

顧客からの反応や申し込み状況は。

河内:大変好評です。元日から駅構内などで営業を展開し、約1カ月間で1万件を超えました。想定をやや上回るスピードです。特に、すでにポイントを活用されている顧客からの反応が良いです。「2倍」が効いているのだと思います。

 「東急でんき」の契約目標は、10年間で55万世帯です。沿線の世帯数が250万世帯なので、その約2割に利用してもらいたいと考えています。

東急パワーサプライ 料金表(2016年1月現在)
*1電気料金をTOKYU CARDでのお支払いにするか、提携ケーブルテレビ事業者を通じて契約をする必要があります。
※税込表示。2016年1月時点の東京電力の従量電灯Bの料金単価と比較(各種割引は適用外)。