電力供給シェア1割の目標は取り下げていない

首都圏で電力供給シェア1割という目標を掲げていました。

笹山:最近はあまり公言していませんが、取り下げていません。それを目指して頑張っています。

 しかし、電力自由化という言葉を知っている人は多いのですが、当初はその中身を知っている人は1割しかいません。それが全部、当社のお客さんになる訳がありませんから、その意味で厳しいかなと思っています。ただみなさんが報道されるなどして、中身を知っている人が増えてくれば状況も変わってくると思います。

思ったより中身を知らない人が多いということが厳しい要因でしょうか。

笹山:そうですね。電話の問い合わせの中身を聞いてもそれが分かりました。

シェア1割は世帯数ですか。

笹山:いや。これは電力使用量が分母です。首都圏で使われている電力のすべてです。電力卸や大口販売も含みます。

 既に130億kWhを扱っていて、電力供給シェアは3~4%なので、その上積みを狙います。全体として、ある程度ポートフォリオを組みながらやっていきます。

ポートフォリオとは?

笹山:家庭向けだけ取り込んでいくのではなく、中小の業務用や大口需要家に対しても販売を伸ばしたいと思います。

東ガスのサイトで、何人かの検針票のデータを入力してみました。電力使用量が少ないと割高になるケースもあります。

笹山:我々は1100万のガスの顧客がおります。コアな東京ガスファンは首都圏のファミリー世帯だと思っています。平均の世帯人員は3、4人です。

 なので、東京都の戸建住宅に住む3人世帯の平均使用量を参考にしています。月間392kWh、年間4700kWh。この世帯でメリットが出るようにしています。

 他社は700kWhなど自社に有利な世帯をターゲットにしていますが、我々は平均的な世帯の平均使用量で比較しています。

電気料金の比較
電気料金の比較
東京ガスは12月発表の電気料金を2月に追加値下げした
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300kWh以上で値下げのメリットを出すようにした狙いは何ですか。

笹山:単身世帯を含む東電さんの月間平均使用量が昔は300kWhで、今は270kWhくらいになっています。だいたいファミリー世帯だと300kWh以上を使っています。

 世帯人数が少ない人で電気料金の支払いが少ない人には、正直、料金だけだとメリットはありません。その代り、付加価値サービスを拡充しています。生活周りの駆けつけサービスやクックパッド(料理レシピサイト)のサービスがあります。

 例えば、水のトラブルは年間に5件のうち2件くらいあり、修理に何万円かを払うケースがあります。今回、ガスと電気をセットで契約してくれれば、駆けつけサービスが無料になります。このサービス単独で契約すると月々400円、年4800円くらいかかります。

 家を買ったばかりの世帯には必要ありませんが、長く住んでいる年配の方々には魅力を感じていただけるのではないでしょうか。

付加価値サービスは東ガスの持ち出しですか。

笹山:そうです。

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