さて、イメージも実力も十分な酵母がエキス化され、エファージュに使われるようになったのは2015年のリニューアル以降だ。2010年に発売された初代エファージュには、すでに世にある酵母エキスが使われていた。研究者としては、最初からオリジナルの酵母を使いたかったのではないか。飯野さんの答えはノーだ。

まずは世に出す。力を引き出す

 「2010年の当時、私たちにとっては化粧品を(化粧水や乳液、クリームなどの)ラインナップで出すことは本当にすごいことだったので、まずは出せたことが嬉しかったんです。サントリーでも化粧品をやっているんですよ、それを知って下さいね、というところがスタートです。それが正しいことかどうかは、わからないですけども」

 まずは世に出す。オリジナリティの追求はそれからだ。

 「サントリーらしさを出そうとか、最初のラインナップにはなかったけどやっぱり美白のアイテムを追加しようとか、リニューアルはその次の段階の話ですね」

 現在エファージュには『ディープアクト エッセンス ピュアホワイト』という薬用美白美容液がラインナップされているが、この商品には、何年も前の、何かに使えるだろうけれど何に使えるかわからなかった研究が活かされている。

 「あの研究のあれが、ようやく自分たちの商品にも使われるようになったか~、という感じで、感慨深いですね」

 サントリーにおける化粧品、それは「それぞれの人が本来持っている力を引き出すもの」だという。