中古ショベルは1500万円、新車とほぼ同額に

 では、実際に中古建機はいくらで売られているのだろうか。自動車なら「トヨタ・プリウスの人気グレードは250万円前後、ベンツSクラスなら1000万円台から」といった「相場観」があるが、一般消費者になじみの薄い建機となれば価格も読みにくい。記者は、市場価格をつかもうとコマツ以外の建機も扱う独立系販売代理店に足を運んだ。

コマツの建機も扱う独立系販売代理店、ブラムコ社のマイク・パラディス上級副社長

 向かったのはケンタッキー州、ルイビルにあるブラムコ社だ。1908年設立の老舗で、1980年ごろからコマツを扱っている。マイク・パラディス上級副社長は「2年ほど前から建機のレンタルとアフターサービス、さらに中古建機販売に力を入れている」と話し、そしてこう付け加える。「ウチもキャタピラーから代理店の誘いを何度も受けたが、コマツと商慣習の違いは大きい。どちらが良い悪いではなく、ビジネスモデルの違いだ」。

 パラディス上級副社長は詳細な市場価格こそ明言は避けたが、説明資料によると、新車から1年間、1000時間ほどレンタルで使われた13トン級の小型油圧ショベル(注=作業装置を除く機体質量を示す。油圧ショベルでは最も売れ筋の中型機が20トン級、13トン級は都市部の道路舗装などに使われる小型機種)は13万2000ドル(約1518万円)だった。新車は14万ドル(約1610万円)前後なので、値落ち率は6%にとどまる。

 「ウチのレンタル建機は400台前後だが、年間で最も工事の増える夏場には500台前後を用意する」(パラディス社長)。

 しかし、こうした代理店の取り組みが今後も成功するとは限らない。米国は底堅い景気を背景に昨年末、利上げに踏み切ったものの、株価は乱高下が続いている。原油価格は節目の1バレル30ドルを割り込み、建機の上得意先であるエネルギー関連企業は投資案件の先送り・凍結を相次いで決定している。

米国コマツの森山雅之社長

 だからこそ、建機業界も新車販売という「フロー」から、アフターサービスやレンタルなど「ストック」に商売の軸足を移すことで、新たな需要を掘り起こしていくしかない。「全米に32ある代理店でどこまでできるか、白地図を塗りつぶすくらいの気持ちで(キャタピラーと)戦いますよ」。北米取材で、開口一番こう切り出したのは米国コマツの森山雅之社長だ。その先駆者となる2つの代理店の取り組みこそ、真価が問われる局面に入る。それは日本企業、とりわけ製造業が今後、北米で直面する課題に他ならない。