攻めのアフターサービスには、コマツと販売代理店の関係性も大きい。コマツとキャタピラーは、伝統的に販売代理店とメーカーの関係性に違いがみられる。キャタピラーは子会社の日本法人を除くと各国・地域ごとに独立した販売代理店に販売価格の設定からアフターサービスまでほぼ一任している。各代理店の独立性を尊重するキャタピラーに対し、コマツは各代理店に直接、在庫管理やアフターサービスを働きかけるなど、メーカーと協業を重視しているからだ。

 コマツケアも当初は建機の新車販売価格に含まれており、販売代理店は値引き販売をすると、結果としてアフターサービスがおろそかになりがちだった。直近では代理店がコマツケアに要した工賃や部品代をコマツに事後請求できるように改めた。無償サービスの対象となる2000時間を超えると、有償サービスの契約を推奨する。その契約率は足元で40%だ。今後は、その底上げが課題となる。

 KECの本社では顧客から建機を預かって分解整備する「リビルト」「リマン」と呼ばれるサービスも軌道に乗り始めた。

アフターサービス拡充、真の狙い

 アフターサービスは顧客が建機をフル稼働できるメリットにとどまらない。米国コマツ(KAC)の十川満洋サービス担当副社長は「建機の稼働が5000時間前後に差し掛かった時が腕の見せ所です」と打ち明ける。北米では年800~1000時間の稼働が平均的とされるため、十川氏が狙いを定めるのは新車から5年前後が経過した建機だ。

 コマツケアで点検・整備が行き届いている建機は、いわゆる「素性」がはっきりしているので中古建機として高く売れる。十川氏は「顧客は下取り価格が高くなり、代理店も中古建機ビジネスを新たな収益源にできる。メーカーは中古建機価格が高値で安定することで、ブランドを一層高められる。顧客、代理店、メーカーのゴールデン・トライアングルが完成する」と意気込む。