顧客満足度、わずか34%の衝撃

 そのNPCを見るとKECは2009年1月に24%とふるわず、その後上昇傾向をたどり50%台に乗せるも、2014年1月は再び34%まで低下。足元も油断はできない状況が続く。

 「小売り大手コストコのNPSは80%を超えるらしいぞ。品質で負けないウチの建機がなぜここまで低いのか」。プフィステラー社長が頭を抱えていると、懸案は建機のアフターサービス、とりわけ部品在庫の不足だと分かった。

 KECはコマツのグループ会社で、米西部のソルト・レイクシティーに本社を構える専売代理店。2002年に冬季オリンピックが開かれたユタ州の州都で、記者が訪れた1月中旬の気温はマイナス10度ほど。それでも北米の底堅い景気を映してか、道路や橋梁、ビルの工事は引きも切らない。顧客にとって建機が万全の状態で稼働しなければ、たちどころに工期やコストに響く。

 「See your nose!(灯台下暗しだ)」。

 プフィステラー社長は、顧客からの声に愕然とする。「ウチからKECまで80マイル(約130キロ)も離れているから、コマツの建機を買っても修理を頼むどころか、定期点検に来てもらうにも2時間以上もかかる」「キャタピラーはディーラーが近いし、部品も24時間以内に交換してくれる。建機本体やサービス作業の工賃は決して安くはないが、建機の稼働を落とさずに済むから結局、総合的にコストを抑えられる」。顧客の視線は想像以上に厳しかった。

「Komatsu care(コマツケア)」のロゴで彩られた超大型トラック。工具一式や部品、油脂類が満載されており、定期点検など顧客サービスの移動式拠点となる

 KECが一念発起して導入したのが99台の超大型トラックだ。ユタ州を拠点に移動式のサービスカーとして走り回る。「Komatsu care(コマツケア)」のロゴで彩られたパネルには、工具一式や部品、油脂類が満載されている。最新の排ガス規制をクリアした新車を主な対象に、新車から2000時間の稼働まで4~5回ほどの点検を行うサービスも盛り込んだ。直近では対象となる機種の97%が利用するサービスの柱に成長した。自動車が走行距離ごとに点検・修理を行うように、建機は稼働時間で管理する。

 プフィステラー社長は、こう振り返る。「これまで私たちは顧客が電話やメールでアフターサービスを求めるのを受けるだけだった。訪問もせいぜい1年に2回。これからはコマツが客先に定期的に出向いていく『攻め』に変えなければ勝ち残れない」。