最初のお客は一流でなければならない

 お茶のおいしさを十分に楽しんでもらうには「手摘みした高品質の茶葉を使う必要があるが、最終的な味はお茶を入れる人の技量で大きく変わってしまう」(吉本社長)。そこで吉本社長は最もお茶のうまみ成分を引き出すと考える水出しでお茶を作り、それをボトルに詰めて販売することにした。お茶を詰めるボトルにワインボトルを選んだのは遮光性に優れ、輸送に便利という実務的な理由に加えて、「お茶をワインの様に料理と組み合わせて楽しんでもらいたい」(吉本社長)との願いからだった。

 同社への注文の半分は、高級レストランなど業務用が占める。通常販売している商品の価格帯は2800円~2万5000円。売れ筋は1本5000円前後のボトルだ。酒離れが進み、お酒を飲まない人も増えているが、ボトル1本当たりの価格がワイン並みなので、ワインと大差ない価格で提供できる。その結果、ほかのソフトドリンクと比べて適正な粗利を上乗せしやすい。つまりソムリエにとってワインと同じように扱える商材であることが人気の理由だ。そして、残りの半分はレストランなどで同社のお茶を体験したお客が贈答品用に買っている。月間でトータル5000~6000本のボトルが売れている。

 短期間でブランドを確立できた秘密は、販売を始める前にクリスタルガラスの高級ブランド、バカラ直営のバーに最初の顧客になってもらおうとピンポイントでセールスをかけたことだった。バカラを選んだ理由は最初の顧客が商品のイメージを決めると考えたためだ。

 幸運なことにちょうどバカラ直営のバーでもお酒を飲まない来店客に提供しやすい商品を探していた。高級感のある同社のボトル入り茶飲料はニーズに合っていた。バカラという著名なブランドのバーにも置かれる商品となったことで、同社の商品(最初に発売したのは、3500円~3800円のウーロン茶のボトル)は当初からメディアでも注目を集めることに成功した。

1箱1000円の高級ティッシュ

 繁華街では広告の入ったポケットティッシュが無料で配られていることは珍しくない。箱タイプのティッシュペーパーも5箱入りで数百円というのが相場だ。にもかかわらず3箱セットで3240円(税込み)という破格の値段で売れているのが日本製紙クレシアの「クリネックスティシュー 至高 『羽衣』」だ。

 2010年11月の発売後、大量生産ができないため日本製紙クレシアのオンラインショップのみで販売している。しかし、生産が間に合わず何度か販売休止をせざるを得なかったこともあるほど人気が高い。

3箱セットで3240円の「クリネックスティシュー 至高 『羽衣』」