経営の神様こと松下幸之助氏ですら長年、頭を悩ませたと言われる「値付け」。
経営の最重要事項であるはずのそんな価格戦略で、日本企業の迷走が深まっている。
収益力の向上を目指し値上げに踏み切ったものの、客離れを招く企業あり。
逆に「デフレは続く」と一段の値下げに走った結果、業績が低迷する企業もある。
成熟時代には、中途半端な値段を付ける戦略では十分な利益は上がらない。
常識価格を大きく上回る値段を設定し、その分、消費者が驚く付加価値を乗せるか、
前代未聞の安値を打ち出し、顧客を力技で引き寄せる。いずれかの姿勢が必要だ。
モノを売りたきゃ倍値か半値──。そんな「大胆値付け戦略」を先進企業に学ぶ。
シリーズ
凄い値付け

完結
この記事の著者
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水野 孝彦
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西 雄大
日経ビジネス記者
4回
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なぜか増加する「山林を買う人たち」
世の中には価格設定の根拠が一般人からは分かりにくいものがある。その1つが山林の価格だろう。1万坪が10万円で売買されたこともあるそうだ。山林の価値は植林された樹木の将来の売却価値に左右されている
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AIが誘う「価格100分の1」の世界
地の利を持つ強敵と競り合うには、相手とは比較にならないほどの低価格で勝負することが突破口になる。その武器となるのがAI(人工知能)の活用だ
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2000倍の価値を認めさせた、30万円の緑茶ボトル
高額な商品を売るうえで、最も王道の成功パターンはある分野でブランドを確立してしまうことだ。そのブランド確立の発想法に学ぶべき点が多いのが、神奈川県茅ケ崎市にあるロイヤルブルーティージャパン(吉本桂子社長)だ。
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無価値でも売れる!「値付け」で都市型錬金術
たとえ「無価値」だと思われるものでも、アイデア次第で価値を持ち値段を付けられる。企業は最低限のコストで新たな収益源を構築できる可能性を秘める。それは、まるで「都市型錬金術」とも言うべき手法だ。
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全8回