ライバルはゲーム

Dさん:私は自分のクルマがあって、自分で運転してドライブするのが好きなので、誰かの隣に座って…というのとは違うんですが(笑)。

 若い人たちが車に乗らないということで言うと、クルマよりもほかに価値を見出している。スマホであったり、いろいろなゲームであったり、クルマ以上に自分のおカネを使いたいものがあるというのが大きいと思います。

Eさん:私は運転しないので「隣に乗る派」ですが、う~ん、特別な効果というのはあまり…(苦笑)。

 若い人が乗らない問題に関して言うと、昔は子供の頃から、すごくクルマが好きな子とか鉄道が大好きな子とか、たくさんいたと思うんですけど、今はうちの子も含めて、最初からゲームなんですよね。テレビでもケータイでも、まずゲーム。その世界にハマっていて、憧れの対象というものが変わっているなという気がしています。

自動運転になったら変わるのか

Fさん:私は自動運転に関わる仕事をしているので、まずはどうしたら自動運転車をスムーズに走らせられるか、ということに日夜取り組んでいるのですが、自動運転のクルマができたとしても、乗る人は減っていくんじゃないかなと思っています。

 なぜかと言えば、特に若い人と話していて、自分で自由を探したいと考えている人が少ないなと感じているからです。

 私は50代ですが、組織の中でややこしい仕事をしていても、自分なりの自由、誰かに言われるままに仕事をするのではなくて、自分のテリトリーみたいなものを探すのがクセのようになっています。

 若い人たちと話していると、どうも拘束されることで安心するような、そんな人が多いように感じるんです。自分で何かを見つけていくんじゃなくて、何らかのルートが決まっていて、そこに乗っかるとか、海外に行くのもツアーで行くのが安心とか。

 クルマの良いところは、野地さんの『トヨタ物語』の最後に書かれていたように、どこへでも自由にいけることだと思うんですが、そうした欲求がない人は、マイクに行先を言うだけでOKというように、クルマがどんなに便利になっても、乗りたいという欲求に結びつかないんじゃないかと。

Gさん:自分のことを思い出すと、学生の頃はいろいろなところにクルマを運転して出かけて行っていましたが、今は乗っていません。では、いつ頃から乗らなくなったのかなと考えると、カーナビが普及した頃なんです。

 カーナビができてから、要は景色を覚える必要がなくなっちゃったんですよね。それまでは地図を見ながらでも自分でいろいろ覚えて、あそこをこう行ってとか、裏道がこうでとか、いろいろと覚えて、自分なりの知識を蓄えて、というのが楽しかったんだと思うんです。それがカーナビができてからは、誰でも簡単にできるようになった。楽にはなったけれど、楽しさはなくなっちゃったような気がしています。

野地:なるほど。