大のクルマ好きで知られるクレイジーケンバンドの横山剣さんは新刊『トヨタ物語』をどのように読んだのか。トヨタとの意外な縁、溢れる自動車愛とともに、縦横無尽に語っていただきました。その後編。

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横山剣(よこやま・けん)
1960年生まれ、神奈川県横浜市出身の「東洋一のサウンドクリエーター」。78年にクールス・ロカビリークラブのローディーとなり、1981年にヴォーカリストとしてデビュー。97年、クレイジーケンバンド(CKB)を発足、デビュー20周年を迎えた。8月1日には3年ぶりのオリジナルアルバム「GOING TO A GO-GO」をリリース。9月24日には、横浜アリーナでデビュー20周年記念ライブも行われる。詳しくはCKB公式サイトにて。(写真:尾関裕士、以下同)

横山:トヨタのCMだったら浜口庫之助さんの「わたしのカローラ」って曲が大好きで。

野地:えっ、浜口さんがそんなCMソングを?

横山:ソノシートで当時、販促で配ってたんです。僕はそれ子供のときにもらいました。その次のはジェリー藤尾夫妻が、もう別れてしまいましたけど、カローラの宣伝をやってて、「ちょっとうれしいカローラ」という曲で。

野地:思い出しました、わたしのカローラ、ちょっと外国語が入ってる。

横山:そうです、ボサノバのおしゃれな。

野地:おしゃれでしたよね。僕も小学校の時、口ずさんでたな。あれ、浜口さんなんですか。もともと外国の歌なのかと思ってました。

 いや、横山さんのインタビューは面白い。赤塚不二夫といい、浜口庫之助といい。そうだ、あの歌、コンサートで歌ったらどうですか。

横山:わたしのカローラ、弾き語りでやったことがあります。

野地:今も原曲は聴けるのかな。

横山:ユーチューブで聴けますね。

編集S:(再び検索して)これですね。

横山:そうそう、カローラスプリンターが出る前はスプリンターという部分はなくて、カローラだけだったんですけど、スプリンターが出てから、スプリンターというのが入って。

野地:最初のはこれより前の。

横山:もあるんです、2種類。たぶんオケは一緒だと思うんですけど。

 トヨタはCMがスタイリッシュですね。特にセリカのCMがすごくスタイリッシュで、「食べてしまいたいクルマ」というのがありました。コピーがすごくよくて、「ちょっとうれしいカローラ」とか、「わたしのカローラ」とか、刺さるコピーが今も記憶に残ってます。

野地:そうした横山さんの心をつかむようなCMを作る裏では、トヨタ生産方式でひたすら地味に…。

横山:一生懸命、クルマを作っていたんですね。この本を読んでから、改めて当時のCMを見ると、また違った感慨がありますね。

安心感が半端なくありますね

野地:トヨタの車に乗ってみて、特徴ってありますか。

横山:そうですね、安心感が半端なくありますね。で、僕はカローラの何でもない、あえてスポーティなやつじゃなくて、デラックスという最もオーソドックスなやつに乗ったんですけど。KE70というカローラです。

 もう加速が素晴らしくて、ほかのクルマに乗れないぐらいイイ感じなんですよ。そのプレーンな感じが逆に色っぽくて好きだったんですけど、とにかく安心感があって。走る、曲がる、止まる、すべてにちょうどいいというか、コンフォタブルというか。で、けっこう速いんです、びっくりしちゃうぐらい。マニュアルだったんですけど。

野地:KE70っていつ頃ですか。

横山:昭和56年頃ですかね。

野地:いわゆるカローラ、みんなが覚えてる。

横山:ええ。このKE70というのはマニアの間でファンが多くて、それをカスタムしてレースに出てる人とかけっこういるんですね。やっぱりハチロクは断然人気ですけども、僕はKE70がすごい好きで。あとKE30というのもすごくよくて。

 外車と交互に乗ってたんですけど、やはり雑なんですね、外車って(笑)。特にイタ車とか、ほんと雑、アメ車とかも。なんかギシギシいったり、どっかしら壊れるというか。それがトヨタの車は、どんな無茶しても、あ、オイル交換するの忘れた!とかあっても、まあ大概、元気よく走るし、ほんとタフですよね。