ビジネスマンはこう読め

野地:『トヨタ物語』をビジネスマンはどう読めばいいですか。

:この本ね、僕らが知らなかったことまで出ていて、びっくりしたのだけれど、要するにトヨタがどうして強いのかに興味を持ってる人はおもしろいですよね。それ以外の人は読まないんじゃないの。

野地:困りますね、それでは。みんなに読んでもらわないと。

:あと、残念ながら、トヨタの強さを理解して、自分は自分なりにカイゼンしようと発想するやつは多くないと思うんだ。

野地:林さんらしい。厳しいご意見、ありがとうございます。実は、この本、中国、台湾、韓国、ベトナム、メキシコで出るんですけど、中国のほうが初刷りが多いんです。

:絶対売れるよ、中国では。中国の人のほうがカイゼンには熱心だから。

 大野(耐一)さんの名言があるんだ。

 「林、カイゼンでいちばん困ることは何かわかるか」って。僕が黙っていたら、「教えてやる。困っていないやつほど困ったやつはおらんのだ」。

 つまり、現実として困っていない人間はなかなかカイゼンしようと思わん。日本の人よりも中国の人の方が危機感が強いんじゃないかな。

野地:いい話ですね。

後編に続く

■重版出来!『トヨタ物語

 トヨタはなぜ強いのか――その本質に迫る巨編ノンフィクション。日経ビジネス連載「トヨタ生産方式を作った男たち」に書下ろしの新章などを加えた圧巻の408ページ、ついに刊行。早くも4刷。日経BP社刊