トヨタにも文句を言う

野地:光洋精工のような協力会社へのカイゼンで重要なことは何ですか。

:カイゼンはサプライチェーン全体と後工程の流れも全部見ないといけない。それと、協力工場にカイゼンに行くでしょう。生産性が向上して、原価が低減する。そのことをトヨタの調達には教えないんだ。教えたら、安くしろと彼らは言う。もし、そんなことしたら、協力工場はカイゼンをしなくなる。

野地:そこは重要ですね。それと、生産調査部はトヨタの人間も叱るわけですか。

:もちろん。協力工場だけのカイゼンではなく、後工程にあたるトヨタの工場も一緒にカイゼンしないと、流れができない。

 だいたい「俺はトヨタマンだ」と威張るようなやつは許せん。トヨタさん、トヨタさんって言われて、持ち上げられると自分が偉いと錯覚する。そういう部署、たとえば調達とか宣伝とか、そういうところに行って、ぶち怒るのも私たちの仕事ですよ。

野地:いいですね。どんどんやってください。もう勘弁してくれって言うくらいに。確かに、トヨタでなくとも、どんな会社でも外部にお金を払うセクションの人間はエラそうな態度になりがちですから。

:ああ、やる。やり続ける。だけど、最近の生調部はタガが緩んでたんだ。

野地:どういうところが緩んでましたか?

:しつこさが足らない。それに、頭がいいやつが頭のいいやつに言葉で伝えるから現場が変わらない。この間、社長がTPS本部を作って、朝倉(正司 常務)を担当にして、尾上(恭吾 生産調査部長)をアメリカから呼び寄せた。もう一度、ちゃんとトヨタ生産方式を広めないといけないという理由からです。朝倉、尾上はやりますよ。僕があいつらを徹底的にしごいたからね。ハンパじゃなく鍛えたから。

野地:林さんが「ハンパじゃなくしごいた」ってことは要するにパワハラの極致だったということですね(笑)。

:はい、おっしゃる通り(笑)。

野地:今はもうそうできないんですかね。

:できないだろうね。打たれ弱いしね。

野地:それは生産調査部の人間だけの問題ではない?

:みんな、頭いいんだよ。子供が減ったから、可愛がられて育ってきたんでしょう。僕らのときは四人か五人おったからね、長男以外はゴミだった(笑)。

野地:林さんは?

:僕は次男(笑)。打たれ強く育っとる。