あいおいニッセイ同和損害保険の副社長でトヨタ事業部を管掌する長島宏司氏は、新刊『トヨタ物語』を読んで、トヨタとともに取り組んだ「保険のカイゼン」を思い起こす。そして話題は「コネクティッド時代の保険」へ。長島流の読み解き方を『トヨタ物語』の編集担当Sが聞く。その後編。

■重版出来!『トヨタ物語
 トヨタはなぜ強いのか――その本質に迫る巨編ノンフィクション。日経ビジネス連載「トヨタ生産方式を作った男たち」に書下ろしの新章などを加えた圧巻の408ページ、ついに刊行。早くも4刷。日経BP社刊

前編から読む)

長島:環境の変化に対応しながら、いろいろなことにチャレンジし続ける。それは保険業界においても大切なことです。我々もこの4月に新しい保険商品を発売しました。…ええと、宣伝のようになってしまいますが、よろしいですか(笑)。

トヨタと一緒に開発した保険ですね。『トヨタ物語』外伝として興味深い取り組みですので、どうぞ解説をお願いします(笑)。

長島宏司(ながしま・こうじ)
あいおいニッセイ同和損害保険 代表取締役副社長執行役員/1956年生まれ。80年、千代田火災海上保険入社。2009年、あいおい損害保険執行役員販売店営業開発部長。その後、執行役員営業開発本部ディーラー営業開発本部長、執行役員首都圏ディーラー本部長、常務執行役員首都圏ディーラー本部長、取締役専務執行役員を経て15年より現職。トヨタ事業部及び国際業務部管掌、中部地区統括担当。

長島:「トヨタつながるクルマの保険プラン」というものなんですが、これはトヨタ自動車さんと一緒に作り込んできました。

 トヨタは今「Connected戦略」を推し進めています。

コネクティッドカー、いわゆる「つながるクルマ」によって、自動車の利便性や役割をさらに向上させようという取り組み。e-TOYOTA部やトヨタコネクティッドなど専門部隊を中心に様々なサービス開発を進めていますね。

長島:おっしゃる通りです。そのサービスのベースになるのが、DCM(Data Communication Module)という車専用の通信機器で、これをトヨタ車に搭載することで、音声通話や高速データ通信などが可能になり、様々なサービスの提供が可能になるわけです。

 今回のプランでは、そのDCMでお客様の運転挙動を把握して、安全運転をされる方について運転分保険料を割り引くといったことを商品化しました。

DCMでつながっているからこそですね。

長島:お客様の運転挙動データを基に「安全運転スコア」を算出します。それと走行距離を勘案して、より納得感のある合理的な割引率を実現しようというものです。

 運転挙動の記録は単に割引率の算出に使うのではなく、このデータを分析して安全運転のアドバイスも行います。急ブレーキや急アクセルの多さなど、自分では気づきにくい危険な動きが分かることで、より安全な運転を意識していただく。それによって、事故のリスクを減らすことができる。

 今までは事故を起こした時に自動車保険を使っていただいていたわけですが、事故を起こさないようにするために、この保険をもっと使っていただこうと。

なるほど。