日刊現代社長の寺田俊治氏は新刊『トヨタ物語』を「記者、経営者、親」という3つの視点から読んだ。「トヨタの危機感」に凄みを感じ、「いい会社」の条件に思いを致す。寺田流の読み解き方を『トヨタ物語』の担当編集Sが聞く。その前編。

■重版出来!『トヨタ物語
 トヨタはなぜ強いのか――その本質に迫る巨編ノンフィクション。日経ビジネス連載「トヨタ生産方式を作った男たち」に書下ろしの新章などを加えた圧巻の408ページ、ついに刊行。早くも4刷。日経BP社刊

『トヨタ物語』をお読みいただき、ありがとうございます。ご感想はいかがですか。

寺田:まず、7年もかけて、こういうどっしりした本をじっくり作るということが、うらやましいなと思いました。僕は「日刊ゲンダイ」という日刊紙の記者をずっとやってきて、様々な取材をするなかで、じっくり腰を据えて向き合ってみたいテーマがいくつもありました。しかし、日々の取材に追われる身では難しかった。

取材者、記者としてのご感想ですね。

寺田俊治(てらだ・しゅんじ)
日刊現代社長/1959年、東京都生まれ、83年、早稲田大学第一文学部を卒業後、日刊現代に入社。「日刊ゲンダイ」ニュース部長、編集局長などを経て、2016年より現職。

寺田:僕は、3つの視点でこの本を読みました。

 1つは記者として。これはトヨタという企業はどういうところなのかと興味を持つ読者の代表ということでもありますね。もう1つは経営者として。日刊現代の社長になって3年目になります。トヨタとは企業規模も業態もまったく違うけれど、トヨタの歴代トップがどのように舵取りをしてきたのか、経営に大切なことを知りたいという視点です。

 そしてもう1つ、僕は娘がいて、今、大学4年生なんです。その大学4年生を持つ父親として、要するに、娘がどんな会社で働くのがいいのかといったことを考えながら読んだわけです。

 安定していて、潰れなくて、仕事が楽で、給料がいい。そんな会社があれば僕が働きたいけれど(笑)、実際にはないわけですよね。じゃあ、とにかくがむしゃらに働けば何かいいことがあるのかと言えば、それもちょっと違う。

 働くこととは何なのか、働く人にとっての「いい会社」とは何なのか。そういうことを考えながら読みました。

 かつては、いわゆる大企業に入れば一生安泰と考えられていた時代がありました。しかし、東芝然り…。

シャープ然り…。

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