「社長室は部室だ」

小山:やっぱり自分の興味のある何かを見つけたら、ガーッと行く姿が。でも、ノンフィクション作家という職業はまだそんなにポピュラーじゃないですけど、すごくやりがいのある仕事じゃないですか。職業としてすごくおもしろいですよね。

野地:そうです。何をしても、何を書いてもいいんです(笑)。

柳井:でも、野地さんの文章はほんと生き生きしてるから、その生きてる感じがすごい伝わる。これからも楽しみにしてます。

柳井:そうだ、最後にいつも、背中を押してもらう言葉を教えてくださいってうかがってるんですけど、野地さんは何かありますか?

野地:この取材で、今のトヨタの社長、豊田章男さんのスピーチをずいぶん読んだんですけど、すごくいい、けっこうやるなってスピーチですよ。例えば「うちの社長室は部室だ」ってスピーチで言うんですよ。「お墨付きの場じゃない、上下関係なんかないんだ。時にはそこで酒飲んだっていいじゃないか」みたいなスピーチを公式の場でしてるんですよ。

 僕は言ったんです。このスピーチ、ジョン・レノンの『イマジン』みたいなもんですねと。理想を語るスピーチでしょう。ビジネスマンの文章でも、ちまちましたことを書いちゃいかんのだなと思いました。だって理想は社長しか書けないのだから。

 「うちの社長室は部室だ」って。秘書はそんなこと書けません。「自分にしか書けない理想を書く」。それがポイントですよ。文章を書く上では。

小山:自分にしか書けない理想。

柳井:じゃ、小山さんの社長室も部室にしていただいて(笑)。

小山:でも、部室はもう豊田章男さんが言ってますからね、僕は違う表現を。

野地:それと中国のサービスのタイトルも考えてくださいね。急ぎませんから(笑)。

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