中国のピザ配達人

小山:そうですね。僕は野地さんに中国のサービスマンの話をやってほしいです。

 この『トヨタ物語』でトヨタ生産方式のことを読んでいて思ったんですけど、現場の人がどれだけ自分で工夫をするかが大事なんですね。そうしないと会社は成長しない。

 先日驚いたのは、中国のいわゆる配達員の人たちが自分のサービス力を競ってるらしいんですよ。例えば、ピザを運ぶ人とかですけれど、その人が届け先に電話して、今からあと何分後に届けます。なので家庭で出したいゴミがあったら、ゴミを準備しといてくださいって言う。ピザの配達なのに、帰りにゴミを持って帰ってくれるサービスを自分で考え付いたと聞きました。すごいですよ。

 いま、おもてなしの日本とか、サービス力は日本が強いとかって言っているけれど、僕は中国にすぐ追い越されんじゃないかなと思ってしまう。

野地:それだ、また本にしましょう。タイトルお願いします。『中国のサービスの達人たち』とか(笑)。

小山:いやいや(笑)。

野地:また『企画書は1行』みたいに。すぐ新潮社に持って行きます(笑)。

小山:ええ、社長が現場に来ない出版社ですね(笑)。

柳井:今日、ほんとに興味深いお話をうかがったんですけど、野地さんはずっと作品を書いていくなかでの何かコアになってる部分とか、必ず大事にしていることはあるんですか。

野地:早く書くということかな(笑)。料理屋さんで上手な人って早いじゃないですか。それにならって早く上手に書く。

小山:でも、早く料理する達人は食材選びとか、下準備とか、仕込みにものすごい時間をかけてる。だから野地さんもリサーチにものすごい時間をかけて、インタビューもものすごい時間をかけて。でも、たまに遊びに行ってるだけじゃないかというのもけっこうあるんですけど(笑)。

野地:そうなんですね(笑)。

柳井:その遊びも必要なんですよね、絶対。