インタビューの後

 取材はゴルフ場で行った。話を聞いた後、一緒にゴルフをしたのだが、川淵さんは絶好調だった。対して、わたしは絶不調だった。悠然とするキャプテンの前で、あたふたと走り回った。川淵さんは「力を抜いた方がいい」など、いろいろとアドバイスをしてくれた。

 そして、ひとこと。

 「野地さん、本のなかにカイゼンには終わりがないと、あなたが書いているんでしょう。ゴルフについてはまだまだカイゼンが必要だ。日々、研鑽しなければ衰退あるのみ。もっと練習するように」

 わたしは川淵さんの訓戒をじっと聞いた。本書のなかに出てくる張富士夫、林南八両氏が大野耐一氏の前で頭を垂れたのと同じような姿勢で、川淵さんの厳しい指導を受けたのである。

 最後に、ドラッカーは次のようなことも言っている。これもまたトヨタ生産方式に通じる言葉だ。

 「生産性向上のための最善の方法は、他人に教えさせることである。知識社会において生産性の向上をはかるには組織そのものが学ぶ組織、教える組織にならなければならない」

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