通貨の下落によって金利負担は増加し、財政状況は急速に悪化。困窮したガーナ政府は昨年、IMF(国際通貨基金)に緊急支援を要請している。ガーナだけではない。アフリカ最大の経済国であるナイジェリアも今年1月に世界銀行とアフリカ開発銀行に対し、35億ドルの緊急融資を要請。ザンビア、モザンビークなども資源安に苦しむ。

日本企業も被弾、アフリカ進出ブームに冷や水

 急激に悪化するアフリカ経済は、最後のフロンティアとして多くの企業が流れ込んでいたトレンドにも影響を及ぼしつつある。その象徴が、ネスレの方針転換だ。世界食品最大手のネスレは昨年、アフリカの中間層向けの事業縮小を決断。スイスの資源大手グレンコアも、市況悪化により昨年、ザンビアの鉱山を閉鎖した。

 日本企業も例外ではない。日本企業でも住友商事は1月13日、マダガスカルのアンバトビー・ニッケルプロジェクトに関して、市況の下落を主因に2015年度第3四半期(10~12月期)に約770億円の減損損失を計上すると発表した。

 東アフリカで中古車の輸入事業を展開するカービュー。昨年から、ザンビアやモザンビークといった資源国での中古車売り上げが減少し始めている。ケニアのナイロビで日本食チェーンを展開するトリドールも、昨年2店舗を開いたが、「夏以降、売り上げが鈍化してきた」と池光正弘ゼネラルマネージャーは警戒する。

 日本でも、数年前からアフリカ進出ブームが起きた。2009年以降の5年間で、進出した日本企業は35%増加した。ところが、急激な外部環境の変化によって、進出を延期・凍結させる日本企業が出てきそうだ。

 今年は夏にケニアで安倍晋三首相が主催するアフリカ経済開発会議が開催されるが、4年前の様相とは状況が変わる。「最後のフロンティアという、夢のような評価も今は昔。より現実に即した戦略転換があらゆる日本企業に求められている」とジェトロ理事の平野克己氏は指摘する。