「声で指示するだけ」はこんなに簡単

小竹:私はキッチンで料理をしながら聴く音楽の楽しみも広がりました。

 使う前は「手で操作すればいい」と思っていましたが、「声で指示するだけ」になることで、これほどハードルが下がるのかと驚きました。

 同様に、これまで料理に苦手意識を持っていた人たちにとっては、レシピ情報に気軽に触れるきっかけを増やしてくれそうです。

柳田:「話しかける」というアクションは、小さい子どもからお年寄り、病気や障害で身体を思うように動かせない方まで、幅広い層にユーザーを広げます。

小竹:たしかに、うちの娘たちもあっという間に仲良くなっていました。今では、朝起きてくるなり私よりも先に「アレクサ、おはよう!」と言っていますし(笑)。

柳田:さらに世界中から集まるデータをもとにしたアレクサの機械学習、そしてアレクサに搭載するスキル(スマートスピーカーで使える各機能。スマートフォンの「アプリ」に相当する)の充実によって、より“かゆいところに手が届く”デバイスに進化していけるはずです。

 搭載されているスキルは現時点で1000を超え、動画に対応したスキルも既に50を超えています。「中身のアップデート」が常に進むデバイスが初めてキッチンに登場したという点が、イノベーションの意味で非常に大きいと思っています。

小竹:これまでのキッチンの機能面の進化というと、家電の高機能化の方向にずっと進んできて、複雑になり過ぎてユーザーがついていけなくなっている課題があったと思います。

 我が家にも高機能電子レンジがありますが、「たくさんボタンがあるけど何に使うんだっけ?」と、宝の持ち腐れになっていた機能がたくさんあります。

柳田:分厚いマニュアルとクックブックが付いてくるのですが、あれがなぜかどっかに行っちゃう(笑)。メーカーのホームページでダウンロードできるんですが、そこまでやる人はなかなかいませんよね。もし使いこなせていたとしても、家電に搭載されているレシピそのものはずっと変わらないから、固定化されてしまう。

小竹:スマートフォンと連動する機能があっても、バージョンが変わってしまったりして、結局は使えなくなる。家電メーカーもかなり頑張っていましたが、スマートスピーカーの登場を機に、方向転換する動きも出てきましたね。

 クックパッドでも、最近はレシピと家電を繋げるサービスを本格的にはじめました。ここにあるSHARPの「ヘルシオ ホットクック」も、レシピは本体に記憶されているのではなく、アプリ上で呼び込む仕組みなのだとか。

柳田:実際に話しかけてみましょうか。「アレクサ、『COCORO KITCHEN(ココロキッチン)』を開いて」