「だしアンバサダー」って何?

小竹:私の周囲でも、20代の若い人がだしを毎日の料理に取り入れたり、興味を持ったりしているようです。おそらく、「食育」を受けてきた世代だという背景があるのではと思っています。

高津:ここはオフィス街ということもあって20代のお客様は目立ちませんが、若い世代にもだしの魅力を知っていただきたいですね。

小竹:「だしアンバサダー」といったコアなファンづくりも、ここ数年、積極的に取り組んでいる印象があります。だしアンバサダーを集うきっかけは何だったのでしょうか。

高津:きっかけは4年ほど前に、三菱地所から声をかけていただいて、丸の内エリアで「食育」をテーマにした様々な企画を仕掛けていこうというプロジェクトの一環でした。その後、当社が独自に活動を引き継いで続けているんです。

 だしアンバサダーになっていただいた人には、日頃から積極的にだしに親しんでもらい、その様子をSNS(交流サイト)などで発信してもらっています。今春から活動頻度の高い人に絞らせてもらって、現在は200人くらいいます。

 その中の一人が店舗でアルバイトとして入ったというようなつながりも出てきました。

小竹:若い客層が増えているということですが、それは狙い通りなのでしょうか。

高津:昔は、鰹節を本店に買いに訪れるのは、年配の人や歳暮・中元向けのギフト需要がほとんどでした。けれど、それだけで市場を広げるには限界があります。そこで、よりデイリーユースの利用者を増やしたいという課題はずっとありました。

 実際、ギフト商品の売り上げはバブル崩壊以降、下がり続けていました。よりパーソナルに、よりデイリーにという戦略を模索していた頃、ちょうど再開発の話があって、店舗の建て直しを機に、新しい試みをしてみようと、この店舗をつくってみたのです。

次ページ 削り節でだしを引いた後になぜ顆粒だし?