1997年の創業から21年、日本の家庭の食卓文化をリードしてきた“フードテック”の老舗、クックパッド。その初期メンバーであり、現在も同社のブランディング部門を率いる小竹貴子氏が、気になるフードビジネスの新芽をピックアップし、現場を訪ねる。連載7回目は、業界で初めて「料理」をコンセプトにした体験型デイサービスの「なないろクッキングスタジオ」。介護保険で要介護1~5の認定者を対象に、料理をしながら、身体機能を取り戻すような取り組みを進めている。幅広いメニューを手掛けることで、要介護の高齢者がみるみる元気になっていくという。どんな取り組みなのか、話を聞いた。今回はその前編。

(取材/2018年4月19日、構成/宮本恵理子)

ユニマットリタイアメント・コミュニティ事業統括本部 NANAIRO事業部の神永美佐子部長(写真:竹井俊晴、ほかも同じ)

小竹貴子氏(以下、小竹):料理を通じて、社会課題解決の可能性を探る中で、ずっと気になっていたテーマが、高齢者支援です。料理をつくる活動が、高齢者の機能回復や精神面のサポート、社会性の回復などにつながるはずだとリサーチしていた時に知ったのが、ユニマットの「料理体験型デイサービス」という事業でした。今日は、東京・自由が丘の「なないろクッキングスタジオ」にお邪魔しています。

神永美佐子氏(以下、神永):ようこそ、いらっしゃいました! ここには、要介護認定を受けた利用者さんがいらっしゃるのですが、皆さん、すごく積極的に参加してくださるんです。

 施設を利用する流れは、到着後にまずバイタルチェックをしてから、30分ほど座学で調理や食材の説明を受けます。その後で、実際に手を動かして、クッキングをしていただきます。

 月曜から金曜の週5日、午前と午後の2回に分けて、料理教室を開催していて、各回の定員は20人ほど。午前は昼食を、午後はおやつや点心などをつくっていただき、持ち帰っていただきます。これから実際に料理教室が始まりますので、ぜひ、様子をご覧ください。

小竹:ここに来てまず驚いたのが、スタジオの開放的な雰囲気です。明るい配色の空間に、ポップな洋楽のBGMが流れていて、一見ではここが「デイサービス」だとは思えません。

神永:そこは、こだわって設計しました。利用者の中には、そもそもデイサービスと思わずに参加されている人もいらっしゃるくらいです。カフェと間違って入ってくる通行人の方もいらっしゃいます(笑)。